うどん発祥地で挑戦1年 埼玉から移住中央区「円清」の岩坂さん つけ麺中心讃岐風 「通用するか試したい」

西日本新聞 ふくおか都市圏版

関東から単身、福岡に乗り込み、自分流のうどん作りを貫く「円清」の岩坂隆玄さん 拡大

関東から単身、福岡に乗り込み、自分流のうどん作りを貫く「円清」の岩坂隆玄さん

 鎌倉時代、博多の承天寺(じょうてんじ)を開いた聖一国師が宋から製粉技術をもたらしたことから「うどん発祥の地」とされる福岡市で、異色のうどん作りに奮闘する関東出身の職人がいる。同市中央区舞鶴で手打ちうどん店「円清(えんせい)」を営む岩坂隆玄(たかはる)さん(45)。埼玉で手掛けた人気店を畳み、単身、福岡に乗り込んで間もなく1年。讃岐風麺と煮干しベースのだし汁を合わせた独特の味わいは、じわじわとファンを増やしつつある。

 岩坂さんは東京生まれの埼玉育ち。もともとラーメン店で修業していたが、軽い気持ちで訪れた香川旅行で讃岐うどんに「はまった」。32歳から3年間、同県丸亀市の老舗店で修業し、埼玉県狭山市でうどん店を開いた。歴史好きで黒田官兵衛がお気に入りだったので店名は「如水」とし、同市で3年、同県飯能市で5年半営業。繁盛したが、次第に「何か違うこと、面白いことをやりたい」と思うようになったという。

 そんな時、知人に「博多でやってみないか」と声を掛けられ、「知り合いも何もない場所で勝負したい」と福岡行きを決意。後継者も見つけず「如水」を閉め、昨年4月、現在地に「円清」をオープン。店名は官兵衛が出家後に名乗った「如水円清」からもらった。

 メニューは釜揚げなどつけ麺が中心。麺は讃岐風だが、つけ汁は「ほぼラーメン時代に習った技術」というハイブリッド。「ここは何うどん? と聞かれると返答に困る」と笑う。

 ごぼう天やかけうどんはあえて置かない。開業当初は、定番品がないと分かると、さっさと帰る客が多かったが、「『とりあえずごぼう天』には乗らない。出そうと思えば出せるが、それでは福岡に来た意味がない」と自分流を貫く。

 個性派メニューも多く、イチ押しはカレーうどん。一般的なうどん屋のカレーと異なり、野菜や果物などを徹底的に煮込んだ欧風カレー。「埼玉時代は注文の8割を超えたことも」という自信作だ。

 目標は「この店のこれを食べたい」と特定メニューにピンポイントで客を引き寄せられる店。岩坂さんは「独自のうどん文化が根付く福岡で自分のうどんがどこまで通用するか試したい」と話す。

=2019/03/31付 西日本新聞朝刊=

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