県議選注目区ルポ(1)長崎市区 選挙後へ主要6党攻防

西日本新聞

諏訪神社前の交差点で行き交うドライバーに頭を下げる候補者=30日、長崎市 拡大

諏訪神社前の交差点で行き交うドライバーに頭を下げる候補者=30日、長崎市

 主要6政党の公認候補が出そろった長崎市区。告示日の29日朝、県庁前で労組員がビラを配っていた。定数14の県議選について「上位11人は『指定席』で、残り3議席を6人で争う団子状態」と情勢報告し、推薦する立民新人の支持を呼び掛ける内容。「労組で5千票の上積みが必要」と危機感をあおる記述は生々しい。

 野党再編後、立民にとって初めて挑む県議選。世代交代を訴えるこの新人を県議会に送り込み「くさびを打ち込みたい」と党関係者は息巻く。31日には知名度が高い川田龍平参院議員を応援演説に招き、党勢拡大への弾みにする考えだ。

 「私に仕事をさせてください!」。汗ばむ陽気となった30日、国民新人が諏訪神社に近い新大工町商店街で商店主や買い物客に声を掛けていた。高齢の買い物客が目立ち、古い市場は空きスペースが目立つ。

 現職と新人の2人が立つ国民。党所属の西岡秀子衆院議員(長崎1区)の支援も念頭に「必ず当選させる」と県連幹部は強気を崩さない。視線の先に、候補者擁立を予定する夏の参院選がある。

 旧民進が分裂して生まれた立民と国民。参院選を見据え、他の選挙区では相互に“推薦”する事実上の共闘が成立したが「長崎市区は割り切って戦う」と判断し、それぞれ県都での議席を目指す。

 共産と社民は、それぞれ現職1人が議席を守るために奔走。前回、2人で計2万4千票を集めた公明も同じ顔ぶれで挑む。

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 迎え撃つ自民は、県議会46議席の3分の2を占めるが、公認を6人増の35人として、さらなる勢力拡大をもくろむ。長崎市区では前回と前々回、候補者数は旧民主と同数だった。今回は2人増の7人で、立民と国民を合わせた3人を上回る。自民関係者は「野党が弱っている時がチャンス」と話す。

 30日の新大工町商店街には50代の自民現職1人も姿を現した。同じ党の候補が増えた状況に危機感を募らせつつも、目の前を横切る国民新人を激励した上で毅然(きぜん)と声を張り上げた。「ぶれずに県民優位で活動してきた。確かなる実績を持って挑んでいきたい」

 非自民の陣営は「自民候補の“乱立”による保守票の分散」を期待するが、自民新人の1人はこう切り返す。「彼らの支持基盤である労組票も減っているのでお互いさま。どれだけ地域に根ざしているかが大切だ」

 公認候補が増えた背景には、選挙後の勢力争いも見え隠れする。現在の自民県議は、無所属を含めた「自民・県民会議」(20人)と「自民」(13人)に会派が分かれる。「(議長選出などの)主導権を握るため、お互いに勢力を増やしたいんだよ」と党関係者は解説する。長崎市区で独自の戦いを続ける無所属3候補の動向にも注目が集まる。

=2019/03/31付 西日本新聞朝刊=

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