進学、就職 住民票移すと× 旅立ちの春に「投票難民」 不在者投票可否は自治体次第

西日本新聞

 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初となる統一地方選。進学や就職に伴う引っ越しで住民票を移したことにより、投票できなくなる人がいる。転居先の自治体の選挙人名簿に登録されるには、同じ市区町村に3カ月以上居住する必要があるからだ。住民票を移さない人への不在者投票の対応も自治体によって異なる。新生活への旅立ちの春、18歳には戸惑いがある。

 「初めての投票なので、全部行きたかったけど…」。4月から京都府の大学に進学する福岡県新宮町の男子高校生(18)は、残念そうにつぶやいた。同町の有権者は今回の統一地方選で、(1)福岡県知事選(2)福岡県議選(3)新宮町長選(4)新宮町議選に投票できる。男子高校生は30日に知事選と県議選の期日前投票に行った。自分で投票先を決め、緊張はしなかったという。町の成人式に出席するため住民票は移さない予定だ。「(4月16日告示の)町長選と町議選の投票は難しそう」と残念がる。

 4月7日投開票の知事選と県議選は、昨年12月28日までに転入届を出した人が有権者。同29日以降に転入した人は、県内の別の市町村から引っ越してきた場合は前住所の投票所で投票できるが、県外からの転入者は対象外となる。

 投票日に仕事などで投票所に行けない人には、滞在先で投票する不在者投票がある。住所地の選挙管理委員会に請求書を送ると、滞在先に投票用紙が郵送され滞在先で投票できる制度だ。

 2016年の総務省の調査によると、親と一緒に住んでいない18歳のうち、住民票を移していない人は約6割に上った。住民票を移さない学生は不在者投票を利用できそうだが、「市内に居住実態がない場合は認めない」(大分市)ところもある。全有権者の居住実態を全て把握するのは困難なため、自治体によって対応が分かれるのが現状だ。

 4月の選挙は今後も投票できない18歳が多く出そうだ。総務省は「住民票は引っ越し先に移すようにお願いしている」とした上で、転出する18歳への対応は「選挙期日が変わらない限り、現行では難しい」としている。

=2019/03/31付 西日本新聞朝刊=