県議選注目区ルポ(2)西彼杵郡区 三者三様に懸念抱え、2町内で駆け引き

西日本新聞

公園で花見客の手を握り、支持を訴える候補者=31日午後、長与町 拡大

公園で花見客の手を握り、支持を訴える候補者=31日午後、長与町

 2議席を巡り、2007年と11年は自民と非自民が議席を分け、15年は保守系が独占した西彼杵郡区。今回は自民の現職と新人、国民新人の3人が、同じ政党や町内で駆け引きを繰り広げている。

 3月29日の出陣式。自民新人の水口直喜は同じ時津町出身で、今期限りで引退する県議三好徳明の功績を強調した。「7期にわたり県政とのパイプをつないでいただいた」。ベテランから議席を受け継ぐ覚悟を示してみせたが、そこに三好の姿はなかった。

 水口は時津町議時代から三好と距離を置いていた。三好が後継者選びに苦慮していることを知り、昨年末に立候補を表明したが、自民公認の申請は佐世保市の支部を経由する異例の道筋をたどった。

 陣営幹部は三好票の行方に気をもむ。「行き着く先は水口であってほしい」。三好の支持者は「どんな経緯があったとしても、地元から県議が出てもらわんばやっけんね」と時津がまとまることを期待する。

 西彼杵郡区は時津、長与の2町。地元をどれだけ押さえられるかが鍵になる。時津町よりも人口が1万人以上多い長与町では、元町議の2人が争う。

 選挙期間で唯一の日曜となった31日。桜がほぼ満開となった長与町の公園に、自民現職の山口経正が姿を見せた。「2度目の挑戦。故郷づくりのために力を貸してください」。地元自治会主催の花見に集まった人たちに頭を下げた。

 山口と入れ替わるように花見客と握手をして回ったのは国民新人の饗庭敦子。「働く人の立場に立った政治を進めていきたい」とアピールした。

 「長与から県議を」を合言葉に、前回は三好を上回る1万1318票を得て初当選した山口。当時は長与出身の県議の不在が追い風になったが、今回は饗庭の参戦で「厳しい戦い」と気を引き締める。陣営は長与町の票が分散することが気掛かりだ。

 山口にはもう一つ懸念材料がある。かつて隣町の議長同士で、前回は支援をしてくれた水口がライバルとなったことだ。「前回は水口の票がなければ1万票の大台には乗れなかった」。陣営幹部の表情は渋い。

 両町は三菱重工の労働組合員が多く、労組票が底堅い。16年の参院選では、民進(当時)の西岡秀子が自民の金子原二郎を上回る票を獲得。国民は次の参院選や衆院選を見据え、長崎1区の衆院議員となった西岡と饗庭の連携も計画する。

 饗庭は自民2人に比べると、知名度不足や出遅れは否めない。「女性県議を増やすためにも、何としても押し上げたい」と後援会幹部。非自民と女性を前面に出し、前回失った議席奪還を目指す。 =敬称略

=2019/04/01付 西日本新聞朝刊=

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