舞台の太宰府 喜び満開 令和の由来「梅花の宴」 「観光ルートの設定も」

西日本新聞 ふくおか都市圏版

新元号「令和」は大宰府であった「梅花の宴」を記した万葉集の歌の序文が典拠。太宰府天満宮の本殿前にはわずかに残った梅の花が咲いていた=1日午後 拡大

新元号「令和」は大宰府であった「梅花の宴」を記した万葉集の歌の序文が典拠。太宰府天満宮の本殿前にはわずかに残った梅の花が咲いていた=1日午後

大宰府政庁跡で会見する楠田市長 坂本八幡神社で談笑する住民ら

 1日に発表された新元号「令和」は、約1300年前の「大宰府」(現太宰府市)であった「梅花の宴」がうたわれた万葉集の序文が由来。梅は太宰府市の市花で、市章にもその花があしらわれているシンボルだ。太宰府天満宮や大宰府政庁跡をはじめ悠久の歴史を誇る古都に、まばゆいばかりのスポットライトが当たることになった。

 楠田大蔵市長はこの日、新人職員の研修中に新元号のニュースに接し、全国の知人からメールが相次いで驚いたという。

 「エープリルフールかなと思った。市にとって大変光栄なこと。新しい御世が和らぐ時代となることを願います」。政庁跡に隣接する万葉歌碑の傍らで記者会見を開いた市長はこう述べ、地元の市民団体による万葉集を語り継いでいく活動も紹介。「市民と今後も連携し、観光ルートの設定など多くの人が訪れるように工夫していきたい」と声を弾ませた。

 梅花の宴が催されたとされる邸宅は、大宰府政庁跡の周辺や坂本八幡神社の付近にあったという説がある。神社には午後、新元号の典拠を知った氏子や住民が次々と集まり、「大変なことになった」「お祭りが観光客でにぎわうかも」「新天皇陛下にも、神社にぜひいらっしゃってほしい」と喜び合った。

 氏子会会長の木原一臣さん(79)によると、坂本八幡神社は氏子が日ごろ掃き清め、外壁を塗り替え、ベンチを設置して大切に守り続けてきた存在。「この日のために皆で守ってきたのかもしれない。例えば石碑を新しく設けるなど、新元号との縁を参拝者のみなさんに伝えられないかを考えたい」と話した。

 梅の見頃は過ぎたものの、太宰府天満宮では、新元号の由来をたどるように梅の花を探し歩く観光客の姿が見られた。

 初めて訪れたという静岡県長泉町の会社員、阿部譲さん(47)は「たまたま太宰府に来る前にラジオでニュースの解説を聞き、とても興味を持った。開いている花もあって、良い思い出になった」と笑顔。本殿前にあでやかな桃色を宿す一輪の梅花を見つけた福岡市中央区の自営業女性(32)は、友人と一緒にスマートフォンで大事に写真に収めていた。「最後の一輪だと思えて、すごくきれいだった。歌の世界が時を超えて今の元号によみがえるなんて、ロマンがあるしすてきです」

=2019/04/02付 西日本新聞朝刊=

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