熊本・津奈木町議選、初の定数割れ なり手不足深刻

西日本新聞

9人のポスターが張られた熊本県津奈木町議選の掲示場。定数10を満たさなかった=16日午後 拡大

9人のポスターが張られた熊本県津奈木町議選の掲示場。定数10を満たさなかった=16日午後

 16日告示された町村議選のうち、九州では熊本県津奈木町議選が定数10に対し立候補者9人にとどまり、同町初の定数割れとなった。定数割れは2005年の同県坂本村(現八代市)や03年の佐賀県諸富町と三瀬村(いずれも現佐賀市)の議員選でも例がある。低報酬や長い拘束時間による「なり手不足」が背景にあるとみられ、有識者からは議員活動と仕事が両立できる議会の「働き方改革」が必要との声も上がる。

 津奈木町議会は11年選挙(定数12)が無投票だったため前回から定数を2減。それでも今回、定数を満たせなかった。自営業平野和信さん(70)は「選挙戦がないと議員が有権者の声を聞かなくなる」と懸念。さらなる定数減を訴えた。ただ、再選が決まった現職はこれ以上の定数削減には慎重姿勢を示す。「委員会構成などを考えれば定数10は必要。住民感情に配慮しつつ立候補しやすい環境を考えたい」と話すが、具体的な道筋は見えないままだ。

 一方、長崎県小値賀町議選(定数8)は締め切りの約1時間前に8人目の元職が立候補を届け出て、定数割れを免れた。この候補は「出るつもりはなかったが定数割れは駄目だと思い、午後決断した」と話した。

 長野県立大の田村秀教授(行政学)は「定数割れは地方衰退の象徴」と指摘。数週間に及ぶ定例会の期間を分散したり、議会質問を短時間で行う仕組みに変えたりするなど「議会運営の効率化が必要だ」と語る。

=2019/04/17付 西日本新聞朝刊=