インドネシア大統領選、ジョコ氏再選確実 元軍幹部との一騎打ち制す

西日本新聞

 【バンコク川合秀紀】5年に1度のインドネシア大統領選は17日、投開票があった。複数の民間機関による独自調査では、現職のジョコ氏(57)が、前回選挙と同じ対抗馬で元陸軍幹部の最大野党党首プラボウォ氏(67)を破り、再選が確実となった。選挙管理委員会は5月22日までに公式の開票結果を発表する予定。

 貧しい家庭に生まれ、大統領に上り詰めた庶民派ジョコ氏1期目の評価が争点。人口の約9割を占めるイスラム教徒の支持も焦点だった。大統領選は副大統領候補とともに争う仕組みで、イスラム色の薄い世俗派とされるジョコ氏は同候補にイスラム教保守派団体の指導者を起用。イスラム票の取り込みを図った。

 ジョコ氏はさらに、高速道路や地下鉄などのインフラ整備や規制緩和による外国企業誘致を進めた実績を挙げて「国の競争力を高めるために必要」と訴え、支持を集めた。一方のプラボウォ氏は「ジョコ氏の経済政策は効果が乏しく、富が外国に奪われている」などと批判。「強い指導者」を強調し、排外主義的な主張も展開したが及ばなかった。

 複数の民間機関が投票終了後に公表した出口調査によると、いずれもジョコ氏がプラボウォ氏を10ポイント前後上回っている。事前の世論調査でもジョコ氏が大きくリードしていた。

 ただ2期目のジョコ政権について、専門家からは「女性や性的少数者(LGBT)の権利制限など、イスラム保守派の主張を受け入れざるを得ない場面が増える」(アジア経済研究所学術情報センターの川村晃一主査)といった指摘が出ている。

 インドネシアは1998年の独裁政権崩壊以降、民主化が定着。今回で4回目の直接選挙となる大統領の任期は最長2期10年と決まっている。有権者数は約1億9千万人と世界有数の規模。

=2019/04/18付 西日本新聞朝刊=