市庁舎整備問題、論戦は低調 大牟田市議選 公報で言及 4人だけ

西日本新聞

 21日投開票の大牟田市議選(定数24)で市庁舎整備を巡る論戦が低調だ。登録有形文化財の本館を解体する市の方針は、3月の議会で関連予算を削除する修正案が議員提出で可決されるなど、市民の大きな関心事になった。しかし、選挙公報で触れているのは立候補者31人のうち4人だけ。「保存か解体か」を最大の争点と捉えて積極的に訴える立候補者は少ない。どうしてなのか、事情を探った。

 「専門家も入れて(市の方針を)再検討し、市民の理解を得て判断する必要がある」

 現職候補は16日夜の個人演説会で、本館解体を前提とする市の姿勢を批判したが、自らの「保存」主張はにじませるにとどめた。3月の議会で全4会派が修正案を提出したのは、市民への説明不足と議論の時間不足で一致したから。現職は「市の説明も市民の理解もこれから。まだ選挙の争点にはならない」と語る。

 所属会派が保存方針を明確にしている別の現職候補も「有権者に聞かれれば保存と答える」としながらも争点にはならないとの考えで、選挙ビラに庁舎整備への言及はない。

 9人の新人のうち2人も「市の方針でいいが市民の意見は割れており、主張するのは難しい」「活性化など、他の課題も多い。保存がいいがメインテーマではない」と打ち明ける。

 住民団体「登録有形文化財大牟田市庁舎本館の保存と活用をめざす会」は今回、全候補者にアンケートをして回答を公表するとしていたが、見送った。新谷肇一(ちょういち)会長は「解体に賛同する候補者の多くが回答を拒否する可能性がある」と考えたという。

 その上で、庁舎整備を巡る課題は建築や耐震、財政シミュレーションなど専門的で「候補者たちも適正に判断する材料をまだ持っていないのではないか」と指摘。選挙後の議論の活性化を期待している。

=2019/04/18付 西日本新聞朝刊=