無投票、あなたはどう思う? 「議員定数を減らせ」「信任投票すべきだ」 特命取材班がフォロワーに聞いた

西日本新聞

あなたの特命取材班のLINEには、300を超える意見が寄せられた 拡大

あなたの特命取材班のLINEには、300を超える意見が寄せられた

 地方選挙で無投票が増えている。「そんな現状を、どう考えますか」――。あなたの特命取材班は4月、無料通信アプリLINE(ライン)でつながるフォロワー(通信員)約8000人に尋ねた。

 意見を寄せたのは、選挙権がない14歳から70代の高齢者まで、全国の300人以上。有権者の意思を示す機会を失う無投票に、有権者の危機感は強い。声のほとんどは、現状からの改善を求める声だった。

 

「この市に未来はない」

 今回、45選挙区のうち4割の18選挙区が無投票となった福岡県議選。4回連続で無投票となった同県筑後市に住む非常勤講師の女性(29)は「知事選が(同日に)あるため、有権者の手間は同じ。多少費用がかかろうとも信任投票をすべきだと考えます」と、審判を受けずに当選が決まることに疑問を呈した。同じく無投票だった同県嘉麻市の農業男性(59)は「選挙区は県内4地区に集約し、政策論争してほしい」と注文。「地元利益誘導型の政治は終わりにしてほしいです」と嘆いた。

 声は、九州外からも続々と寄せられた。仙台市に隣接する宮城県富谷市の自営業男性(55)は「市長選は無投票になりました。人口が伸びている市なのに。この市に未来はないと感じます」。茨城県北部にある那珂市の60代女性も「投票して選ぶことで頑張ってもらえると思います。市長選は無投票でした。これでは市のためにならないでしょうね」と悲観する。

 なぜ、無投票が増えるのか。「そもそも選挙に立候補しにくい」との指摘があった。

 立候補には供託金が必要だ。県議選なら60万円、政令市議選なら50万円、その他の市議選は30万円。このお金は、一定の得票数に達さないと候補者に戻らずに没収される。北九州市の司会業女性(35)は「無投票が増えれば、民意を反映するという選挙の根本的な意義がなくなります」と語るが、一方で「カネとコネがないと立候補できない。じゃあ自分が出ると言えないのが悲しいですけど」と、もどかしさを訴えた。

 

「政党がリスクを負え」

 寄せられた意見には、無投票についての意見を超えて、政治や議会に対する不信感や無関心の書き込みも目についた。

 「議員はたいてい、批判されるときに目撃する。高給取りとか、不倫とか、とにかくイメージが最悪。こんな状況で誰が議員になりたいと思うだろうか」(福岡市の21歳学生男性)。「政治に無関心ということ。自分の生活のことでいっぱいなので、目を向ける余裕がない」(福岡県大野城市の55歳会社員男性)。福岡市の59歳会社員女性は「ふさわしくない人が議員になる可能性がある」と指摘する傍ら「無駄な選挙費用がかからない点ではいいと思う」。

 現職の議員からも意見が寄せられた。福岡県内の男性町議(63)は「地方選挙は個人の判断ではできない。家族、一族でするもの」と持論を述べた上で、「担い手不足を解消するには政党がリスクを請け負い、個人的リスクを軽減すること。マスコミも議員をリスペクト(尊敬)するような世論形成をしていただきたい」と書き込んだ。

 増え続ける無投票。現状をどう改善すればいいのか。選挙制度改革のアイデアは引きも切らず寄せられた。

 北九州市の学生男性(21)は「無投票で通すぐらいなら、議員定数を減らした方がいい」と主張する。大分市の会社経営男性(71)は「(首長選は)立候補者が1人の場合、複数になるまでやり直すべきだ。同時に供託金を下げるなど立候補へのハードルを低くしたほうがいい」と提案。北九州市の団体職員女性(53)は「交通費と日当程度を支給し、仕事終わりの夜に議会を開くような仕組みに変えた方がいい。例えば、議会を大学やショッピングモールで開いてはどうか」と変化を求めてこう付け加えた。「今は(議員が)何をしているのか分からない」

 「政治の仕組みや有権者の権利などを小学生の頃からきちんと教えるようにしなければならない」(同県大牟田市の61歳自営業男性)と真っ正面から主権者教育の必要性を説く意見もあった。

 無投票になると、当然ながら選挙権は行使できない。福岡市の女子高校生(17)からは「私は来年から選挙権があるけれど、しっかり自分の考えを持って投票しに行きたい」という前向きな決意が届いた。そんな思いに応えるためにも、無投票は避けなければならない。

 

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