新千円札に沸く北里柴三郎の故郷・小国町 町長選 3新人が熱戦

西日本新聞

 新千円札の新たな「顔」に、郷土出身の医学者・北里柴三郎が決まり全国から注目を集める小国町で、21日投開票される町長選も沸き立っている。いずれも元町議の3新人が名乗りを上げ、武宮憲之氏(68)は「福祉充実」、渡辺誠次氏(48)は「観光再生」、高村祝次氏(70)は「農林業振興」などを柱に掲げ、熱戦を繰り広げている。「令和」の初代の町の「顔」は誰に。

 国の天然記念物にも指定されている阿弥陀杉(樹齢1300年)が立つ黒渕本村地区。17戸の集落では18日、農耕牛馬を供養する観音祭りがあり、候補者が遊説に相次ぎ訪れた。

 まずやって来たのは高村氏の陣営。農林・畜産業での実績を挙げ「外国人研修生の受け入れも検討したい」などと訴えた。高村氏が去って間もなく、渡辺氏の選挙カーの連呼が響き始めた。入れ替わり訪れた渡辺氏は「農林業と観光の横軸をつなげ、産業全体を底上げしたい」。

 両氏は4年前の議長選で同数となり、くじ引きの結果、高村氏から渡辺氏に交代した経緯もあり、火花を散らす。

 その約2時間後、武宮氏はホウレンソウやアスパラガスの出荷に追われるJA阿蘇小国郷前で辻立ち。「介護や医療費の個人負担を軽減し、福祉のまちづくりを」。農協組織票の切り崩しに躍起だった。

 山林が8割を占める同町では、1983年から町長を6期務めた宮崎暢俊氏が、多彩なアイデアを生かした行政を展開。広く知られるのは町民体育館「小国ドーム」(88年開設)。鉄筋コンクリートの時代、特産の小国杉で国内最大の木造施設を建造した。

 宮崎氏は都市と農村の交流を深め、交流・関係人口拡大に向けた「九州ツーリズム大学」を97年に開講。「観光カリスマ」にもなった。後を引き継いだのは、柴三郎の遠縁に当たる北里耕亮氏(50)。2007年、九州最年少町長として就任し、3期目に引退を表明。3新人の攻防となった。

 同町の有権者数は6171人(3月28日現在)で、10年前より約千人減少。人口減対策も焦点になっており、有権者に尋ねると投票の物差しとして「行動力」「実績」「強いリーダー」などの声が聞かれた。

=2019/04/19付 西日本新聞朝刊=

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