京築の歴史、文化学び45周年 美夜古郷土史学校 学者ら招き講座800回

西日本新聞 北九州版

美夜古郷土史学校開校40周年の記念講演会(2015年1月、山内さん提供) 拡大

美夜古郷土史学校開校40周年の記念講演会(2015年1月、山内さん提供)

これまでに美夜古郷土史学校から発刊された書物など 45周年を振り返る美夜古郷土史学校の山内公二事務局長

 京築地方の歴史や文化財を学ぶ行橋市の“私塾”「美夜古(みやこ)郷土史学校」が本年度45周年を迎えた。これまでに多くの研究者らを講師に招いて学び続けた。多くの書物も出版するなど住民に広く認知されており、その活動は衰えを知らない。

職業も年代も多様

 学校は1951年の「美夜古文化懇話会」が前身。75年1月に懇話会を母体にして発足した。事務局長を務める山内公二さん(78)=同市馬場=は懇話会からの会員で、5人の学校発起人の一人。当時、行橋市役所に勤務していた。「若手が郷土を知るために発足させた」と振り返る。

 半年が1期で、必ず講師を招く。第1期には約100人の受講生が集まった。公務員や教師、大学生など職業や年代はさまざまだった。「受講生はやる気に満ちていた」と山内さん。

 これまでの講師は、県内外の著名な研究者が多い。西谷正・九州大名誉教授や小田富士雄・福岡大名誉教授など考古学者らが並ぶ。小正路淑泰(こしょうじとしやす)育徳館中・高校校長(みやこ町)ら地元に根を張る研究者も務めた。

 講師の招請やテーマの設定は山内さんが担当。会員からアンケートを募り、希望に添って選ぶ。山内さんは必ず講師に手紙を書き依頼する。「電話では失礼。活動方針を書いて、講師に理解をしてもらって招くのが基本」と語る。運営費は1期ごとに徴収する3千円でまかなっている。

発行書物は20冊超

 学校では聴講のほかに、年2~3回の研究発表会も開かれる。会員には地元の郷土史家も多い。発表会は自身が独自に調べた史跡の由来などをほかの会員に知ってもらうことが目的だ。

 最近は、発表資料作成ソフトなど発表を手助けする機器を使う人もいるという。山内さんは「ソフトはそのときには理解できるが頭に残らない。保存するためにレジュメを作ることを求めている」と言う。

 「趣味」ではなく「研究」にこだわる姿勢を貫き、会員間で切磋琢磨(せっさたくま)する雰囲気を心がけているという。その結果がこれまでに、20冊以上の同会発行の書物に結びついている。

会員高齢化が課題

 学校は18日夜に行橋市中央公民館(同市大橋1丁目)であった講座で800回を迎えた。今回は県内の祭事研究の第一人者で「太宰府発見塾」の森弘子塾長が講師。「京築地方の祭事」をテーマに講義をした。

 活動を活発化する学校。一方で、会員確保と存続のための後継者づくりが課題だ。現在会員は、行橋市などの京築地方を中心に、筑豊地方や小倉南区などの住民約80人。年齢構成は60~80歳と高齢化が進む。山内さんは「体調に気を付けながら長くやりたい。学校の趣旨を理解してくれる若い人を探す活動を強めて後世に引き継げれば」と話している。

=2019/04/20付 西日本新聞朝刊=