無いところ持ちつ持たれつ 博多どんたくに登場 北島兄弟の北山たけしさんと大江裕さん

西日本新聞

 演歌界の大御所、北島三郎さんの弟子、北山たけしさんと大江裕さんが昨年結成したユニット「北島兄弟」。今年2月には2枚目のシングル「兄弟連歌」をリリースし、5月に福岡市で開かれる「博多どんたく港まつり」にも登場します。今、乗りに乗った二人の間には、実の兄弟以上の熱い絆があるようでした。

 -ユニットを組むきっかけは?

 ★北山 僕がデビュー15周年で裕が10周年、同じ周年ということでユニットのお話を去年いただいて。名前を付けることになり「演歌兄弟」で行こうとして、それを師匠にお伝えしたら…。

 ★大江 「おまえたちね、演歌兄弟はダメだ」と。どうしようかと思っていたら、「たけしはお兄ちゃんだし、裕は弟。ファミリーだから俺の北島という名前をプレゼントするから『北島兄弟』で頑張りなさい」と。先生からいただいた名前ですから、今では重すぎて大変ですけど(笑)。

 -お互いをどう見てますか?

 ★大江 大好きな尊敬できるお兄さん。何に対しても真剣に取り組んでいる姿を見て自分もそうしなきゃ、と。北島兄弟という形でやっていると、僕一人では出せない色を引き出してくださる。歌では、低音がすごく魅力。僕は低音出せませんし、最近低音出す人あんまりいませんから。

 ★北山 いつの間にか縁あって、うちの事務所に入って、同じ道を歩んでいるんですけど、お互い無いところを持ちつ持たれつって感じですね。僕に無いものは見た目、キャラクターです。もう出てくるだけで、お客さんが笑う。温かい雰囲気になる。

 ★大江 失礼な時もあるんですよ。兄さんが真剣に歌っている時に、横からスッと出てくる時があるんですよ。そしたら「ワッ」って笑いが。

 ★北山 でも、うれしいですよ。

 -1枚目の「ブラザー」も今回の「兄弟連歌」も昨年亡くなった北島さんの息子さん、大地土子(だいち・とこ)さんの曲です。

 ★北山 二人で歌える曲を作った方がいいということで、師匠だと、ど演歌になってしまうので、「若い世代の二人が歌うんだったら、誠(大地土子さん)に作ってもらえ」。それで最初の『ブラザー』が誕生しました。ビートの効いたロック演歌です。

 ★大江 一人でやる時は、普通の演歌で「わーッ」と歌っていればいいんですが、二人になった時はロック演歌というものにチャレンジさせていただいて、新たな面を出せていると思います。

 -誠さんも含めて三兄弟とも言えるのでは?

 ★北山 僕にとっては義理の兄にもなるので。本当にこの曲の中に誠さんがいて、残してくれた思いも詰まってて。

 ★大江 なんか、そばにいて「そんな歌い方じゃねえんだよ」って言われているよな。毎回毎回フッと出てきて…

 ★北山 裕と一緒に歌っているのを見ている先生が、にこにこしていて。時には…

 ★大江 涙出したり。

 -北島兄弟のこれからは?

 ★北山 やっぱり大きな北島という名前をいただいて、師匠が残した曲をずっと歌い継いでいきたい、というのが二人の思いですから。師匠の背中にできるだけ近くに寄っていきたいですね。

 ★大江 言葉では「ありがとう」「すまんな」ってなかなか言えないですよね。でも歌では感謝の気持ちを伝えることができる。そんな先生の歌を継いでいきたいな、と思います。そう言うと先生は「何言ってんだおまえら。生きてんだぞ俺」って言いますが(笑)。でも先生も83歳になりますから、やっぱり自分たちが頑張らないと。「いつまでも頼ってられないぞ」って兄さんは言うんです。

 -5月にはどんたくが待っています。

 ★大江 山笠は知ってたけど、どんたくは知らなかったので…。

 ★北山 弟は大阪なんで。僕には家族で来ていた思い出の祭。裕は初めてなので、どんたくのすごさを味わってもらいながら、北島兄弟の歌をしっかり伝えていきたいなと思います。

 ▼きたやま・たけし(写真右) 1974年2月25日生まれ、福岡県柳川市出身。2004年「片道切符」でデビュー。妻は北島三郎さんの次女。

 ▼おおえ・ゆたか(同左) 1989年11月16日生まれ、大阪府岸和田市出身。テレビのバラエティー番組で注目され、2009年「のろま大将」でデビュー。
 北島兄弟は5月2日の福岡国際センターである「どんたく前夜祭」と3日の福岡市役所前の「おまつり本舞台」に登場する。

=2019/04/20付 西日本新聞朝刊=