まるで宝石箱のお弁当 大分・由布市の「由布ポタジェ」

西日本新聞

 「わぁ、宝石箱みたい」。お弁当の上ぶたを取ると、花畑のようなおかずの数々から、ふわり、春の香りが漂った気がした=写真。

 もっちりしたハムのような食感の鶏胸肉は、平飼いされた「豊のしゃも」を真空調理した。刻んだ大根に茶葉や干しエビ、地粉、上新粉を混ぜて蒸し、油で焼いた「野菜餅」は、コクと香ばしさが癖になりそう。

 菊、梅、松の形に飾り切りされたレンコン、ニンジン、大根。煮物はふっくらと軟らかく、中まで味が染み込んでいる。

 「煮物はゆっくり優しく炊くのがこつ。食べる人を思うと、料理はおのずと優しくなるんよ」。そう語るのは、地元農産物の流通や食品加工などを手掛ける会社「由布ポタジェ」(大分県由布市庄内町)の佐藤周二社長(52)。

 観光地・湯布院の老舗旅館で料理長として腕を振るった経験を持つ。農業が盛んなのに地産地消が進んでいない実情に疑問を抱き、料理人の立場から生産者と消費者、観光業をマッチングしようと起業した。

 生産者を訪ね歩いて調達した材料の良さを引き出すため、仕込みや調理の手間を惜しまない。関わる人々の思いをつなぎたいとの願いを込め、この弁当を「結(ゆ)わえ箱」と命名した。手腕を見込まれ、著名旅館などからメニュー開発を頼まれるのもうなずける。

 新緑の季節。湯布院周辺にお立ち寄りの際は、お弁当をお願いして、由布岳を眺めながら、どうぞ。

 ▼由布ポタジェの「結わえ箱」 行楽向けはデザート付き1500~2000円。予算に応じてオードブルも。5日前までに予約を。大分県由布市庄内町柿原300の1。電話=090(9598)8546。

=2019/04/20付 西日本新聞夕刊=