山陽新幹線、地震に強く 海底観測活用、緊急停止10秒短縮 JR九州、西鉄も対策急ぐ

西日本新聞

 高速で走行する鉄道が地震で脱線すれば、大惨事につながる可能性が高い。少しでもそのリスクを減らそうと、JR西日本は16日から、南海トラフなど太平洋沖での巨大地震が発生した際に、海底地震計のデータを活用して山陽新幹線の列車を緊急停止させる地震検知システムの運用を始めた。2016年の熊本地震で車両が脱線したJR九州の九州新幹線や、活断層と一部路線が平行に走る西鉄天神大牟田線でも地震対策を急いでいる。

 JR西日本が導入したシステムは、防災科学技術研究所(茨城県)が紀伊半島-四国沖に設置する海底観測網「DONET」のデータを活用。内陸に被害が及ぶような大きな揺れを検知すると、自動的に変電所から信号が出され新幹線が緊急停止する。沿線や海岸沿いの地震計を用いた従来の仕組みより検知が最大約10秒短縮できるという。

 JR九州は、新幹線の「脱線防止ガード」の整備に力を入れている。レールの内側に鉄製の器具を設置し、車輪が引っかかることで脱線を防ぐ装置で、熊本地震以前に設置していた上下線計約48キロを含め19年度末までには約85キロまで整備する計画。3月末時点で約80キロが整備済みという。

 ただ、九州新幹線の上下線の総延長は約512キロに及び、脱線防止ガードは「1キロ当たり1億円」かかるとされる。20年度以降の整備計画については「国などと協議しながら進めていきたい」と話すにとどめる。

 西日本鉄道(福岡市)が取り組んでいるのは、天神大牟田線の高架の耐震補強工事だ。

 阪神大震災級の地震でも軽微な補修で運行を再開できるよう、福岡(天神)-大橋間約4・2キロについて、高架を支える約1100本の柱の補強を計画し、既に約8割を完了した。

 05年の福岡沖地震は、主要活断層「警固断層帯」の北西部が動いて発生したが、南東部はエネルギーを蓄積したままだとされる。同線の福岡(天神)-筑紫間(約20・8キロ)は断層帯の南東部とほぼ平行に位置しており、同社は「できる限り早く工事を終えたい」としている。

=2019/04/21付 西日本新聞朝刊=