朝長氏組織力で圧倒4選 佐世保市長選 「人口減 疲弊抑える」

西日本新聞

花束を手に4回目の当選を喜ぶ朝長則男氏 拡大

花束を手に4回目の当選を喜ぶ朝長則男氏

 佐世保市長選は、現職の朝長則男氏が新人の田中隆治氏(75)に大差をつけて4回目の当選を決めた。朝長氏は「地域で頑張っている市民の思いに応えるため、4期目を全うしたい」と抱負を語った。

 事務所には地元選出の国会議員や県議、経済団体の幹部、支持者が集まり、朝長氏と手を握り合って当選を祝福した。

 朝長氏は「人口減少や地域の疲弊を極力抑えないといけない。企業立地の推進など八つのリーディングプロジェクトをしっかりと進めていく」と表明。ハウステンボスに誘致している統合型リゾート施設(IR)について「県と協力して、特定複合観光施設区域の指定を取る」と言葉に力を込めた。

 前回は無投票だったため選挙戦は8年ぶり。朝長氏は告示2日前に立候補を表明した田中氏を組織力で圧倒した。

 選挙中は車で市内をくまなく回った。「グループホームの事業所をたくさん見掛け、デイサービスの車と多くすれ違うなど高齢化が確実に到来していると感じた」と振り返り、高齢者向けの政策を一層充実させる考えも示した。

 当日有権者数は20万5114人。

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■多選の弊害、自戒を

 【解説】佐世保市長として4期目を迎える朝長則男氏は、今回の立候補を前に「権力が集中しないよう心掛けている」と述べた。長期化する市長の権力は、本人が意図しなくても大きくなり、異論を挟みにくい雰囲気をつくることがある。発言通り、多選の弊害を常に戒める必要がある。

 朝長氏は1期目から定期的に地域を回って懇談会を開き、市民の声に耳を傾けてきた。

 一方で、3期12年が経過して「市政は市長が述べたことを中心に動くことがある。進行中の大事業は必ずしも市民からの要望ではない」とベテラン市議は指摘する。市議会は朝長氏を支持する議員が多数を占め、提案された事業の必要性を突っ込んで議論する場面が少ないという。

 4期目はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致、石木ダム建設が進展するかどうかのヤマ場を迎える。いずれも市民の不安や反対意見がある。事業の負の側面やその対策も市民に説明し、疑問に答える姿勢が求められる。

=2019/04/22付 西日本新聞朝刊=