車いす新議員、不便な船出 水俣市の杉迫さん 市仮庁舎エレベーターなく 事務局や控室は2階

西日本新聞

エレベーターが設置されていない水俣市役所仮庁舎 拡大

エレベーターが設置されていない水俣市役所仮庁舎

 21日投開票の水俣市議選(定数16)で初当選した杉迫一樹さん(38)は、学生時代の事故により約20年間、車いす生活を送ってきた。障害者の目線から「誰もが安心して生活できる街づくり」を目指し、バリアフリーの充実にも力を入れていく考えだが、現在の市役所仮庁舎にはエレベーターがなく、当面は不便を強いられそうだ。車いすを利用する市民からも改善を求める声が上がっている。

 仮庁舎は2021年中の完成を目指す新庁舎建設に伴い、16年末に利用開始。プレハブ2階建てで、5年間限定でリースしている。

 議場はエレベーターのある別の建物にあるが、議会事務局や議員控室、全員協議会などで用いる会議室は仮庁舎の2階。市議会事務局は「職員が車いすごと抱え上げて階段を上り下りすることになりそうだ」と話しており、新庁舎に移るまでの約2年半、杉迫さんにとっても心理的な負担になるのは必至だ。

 市によると、仮庁舎を建設する際、エレベーターの設置を検討したが、費用や建物の構造などを考慮して見送った。市民の利用頻度が比較的高い主要窓口を1階に集約することで理解を求めたという。今後もエレベーターの設置は「難しい」としている。

 福祉住環境コーディネーター2級の資格を持つ杉迫さんは「費用を抑えてリフトなどを設置できないか。現実的な範囲で、障害者や高齢者も含めた全ての人が利用しやすい市役所になればと考えている」。車いす利用者で、市民や有識者でつくる庁舎建て替え検討委員会のメンバーだった徳冨一敏さん(58)は「健常者もいつ、車いすが欠かせない体になるか分からない。ユニバーサルデザインを議論することが『配慮の意識』から『常識』になることを願う」と話し、市に対応を求めた。

=2019/04/23付 西日本新聞朝刊=

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