「災害、人口減対策を」 大分市長選 再選佐藤氏が抱負

西日本新聞

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2期目の抱負を語る佐藤氏

 大分市長選で再選を決めた佐藤樹一郎氏(61)は当選から一夜明けた22日、大分市の事務所で取材に応じ「子どもたちの未来のため、着手してきた事業を継続しつつ、災害や人口減など新たな課題に取り組む」と2期目の抱負を語った。

 投票率が過去2番目に低い27・72%だったことについて「対立候補の出馬が遅れ、政策議論の場がつくれなかった。私自身も投票率の低迷を大変危惧していた」と述べた。

 選挙では集会や街頭演説をほとんど行わず、選挙カーで市内をくまなく巡った。「動員をかけた集会などは行わず、生活や仕事の現場に伺うことを重視した」と説明し「毎日10時間かけ、市民から率直な意見や要望を聞くことができた。この貴重な経験を2期目に生かしたい」と語った。

■「カラー」打ち出せ 2期目の佐藤市政

 大分市長選は、現職の佐藤樹一郎氏(61)が圧勝で再選を果たした。県と共同歩調を取り、待機児童解消や企業誘致で成果を上げた佐藤氏の行政手腕は「手堅い」と評価され、それが今回の得票につながったと言える。課題は、その手堅さゆえの地味さ。いかに新たな「佐藤カラー」を打ち出し、全国的に大分市の存在感を高められるか、2期目の手腕が試される。

 1期目の最大の功績は何か-。市議や市幹部に尋ね、最も多かったのが「県との関係修復」だ。

 首長の政治理念が違うことなどから不仲だった県と市の関係は、佐藤氏の市長就任で一変した。象徴的なのが広瀬勝貞知事との政策協議。佐藤氏から持ちかけた取り組みで、予算や業務が県と市にまたがり、停滞していた行政サービスや開発事業が、両トップの判断で次々と前進した。

 待機児童問題では2017年4月の463人を1年で13人まで減少。企業誘致も堅調で、市議の一人は「県との緊密な連携を生かし、市政課題への対応は安定している」と評価する。

 一方、佐藤氏の発信力に物足りなさを感じている人は少なくない。別府市は、長野恭紘市長が抜群の宣伝力で温泉地をPRして集客を図り、ホテル建設が相次ぐ。豊後高田市は手厚い子育て支援で、転入が転出を上回る「社会増」が14年度から続く。「住みたい田舎ベストランキング」で1位に選ばれるなど全国に名を売る。

 佐藤氏は1期目からスローガンに掲げる「笑顔が輝き夢と魅力あふれる未来創造都市の実現」を2期目も継続する。その政策に目新しさはなく大分市ならではの「特色」も見えてこない。このまま目立たなければ、都市間競争で埋没し、人口減などが続く恐れがある。

 今秋にはラグビーワールドカップ日本大会という絶好の情報発信の場が控えており、市の“顔”であるJR大分駅周辺の開発もこの数年で進むなど、明るい材料は多い。県都の魅力向上と情報発信を期待したい。

=2019/04/23付 西日本新聞朝刊=

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