少子化が進む日本だが、こんな「子」は減っていないようだ…

西日本新聞

 少子化が進む日本だが、こんな「子」は減っていないようだ。かけ子、受け子、出し子。特殊詐欺グループの間で使われる隠語だ

▼「電話をかける」「カードなどを受け取る」「口座から金を引き出す」の3役を指す。最近は警察に見つからぬよう「見張り役」を置いたり、先日タイで摘発されたグループのように海外から偽電話をかけたり。手口は巧妙だ

▼改めて知らしめねばなるまい。詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」。決して軽くはない。傷害や窃盗とは違って罰金の規定はない。刑罰は懲役のみ。執行猶予が付くことはあっても、罰金で放免とはいかない

▼世間では「だまされる方も悪い」と言われる。それはもうけ話などに目がくらんだケース。犯人からの電話を「親族からのSOS」と信じ、助けたい一心で応じた人を責めるのは酷だろう。詐欺の中でも人の善意や弱みにつけ込む手口は卑劣極まりない

▼そもそも、今の日本では詐欺まがいのことが多過ぎる。商品の誇大宣伝はもちろん、相次ぐ製品の検査不正、住宅の手抜き施工…。無論、霞が関での公文書改ざん、統計不正なども国民を欺く行為だ

▼統一地方選が終わった。少子化の克服や地域の活性化に向け、さまざまな公約が飛び交った。当選した方々はぜひとも実行を。公約違反で刑罰を受けることはないが、次の審判がある。有権者という怖い「見張り役」がいることをお忘れなく。

=2019/04/23付 西日本新聞朝刊=