能「巴」で異色の共演 謡と仕舞、現代語の語り 27日、福岡市

西日本新聞

 能の名曲「巴(ともえ)」を題材に実演とワークショップを通じて大和言葉の魅力に迫る「能の想(おもい)-謡にみる大和言葉」が27日、福岡市早良区小田部の今村舞台である。同市を中心に語り芝居や朗読などの活動を続けているグループ「夢語り千夜」の靜(しず)に、観世流の若手能楽師として福岡や大阪で活躍する今村嘉太郎、哲朗の兄弟が協力。能本来の謡と仕舞、現代語の語り共演という珍しい試みに挑戦する。

 「巴」は木曽義仲の愛人で女武者として知られる巴御前が主人公の複式夢幻能。「一騎当千の強い女性でありながら、一人の男をいちずに愛するという主人公の心理が複雑で現代にも通じる点が魅力の作品」(靜)という。

 前半のワークショップでは大和言葉の美しさを知ってもらうため、「巴」で実際に使われる表現を参加者みんなで発声したり、現代語との対比や古代の人々の心性に根ざした言霊信仰について学んだりする。

 後半は現代語に改めた「巴」の脚本による靜の語り芝居と、今村兄弟による実演が交互に進行する。靜は「能は基本的に異分野とのコラボレーションは禁止で、今回は能楽協会の許可を得て実現した珍しい舞台。敷居が高く感じられがちな能への親しみと興味を持ってもらい、併せて大和言葉という日本古来の美しい文化を見直してほしい」と話している。

 昼の部(午後2時開演)は完売。夜の部(午後6時同)のみ。定員約50人。入場料大人前売り2500円、学生1200円。夢語り千夜=080(1741)8678。

=2019/04/22付 西日本新聞夕刊(娯楽面)=