工藤会提訴の後押し期待 トップに賠償命令「被害者に勇気」

西日本新聞

 特定危険指定暴力団工藤会が関与したとされる一連の市民襲撃事件について、初めてトップの賠償責任が認められた。判決を受け、報復の恐れから訴訟に踏み出せなかった被害者が新たに提訴する可能性もある。

 福岡県警はこれまで、被害者の保護対策を講じるなどして提訴を後押し。暴力団員の入店を禁じる「標章」を掲げたスナックの女性経営者が顔を切り付けられた2012年の事件では、この女性は今年2月、慰謝料などを求めて提訴に踏み切っている。

 ただ、被害者の中には「(工藤会と)一切関わりたくない」と考える人もおり、かなりの人や企業が提訴していないのが現状だ。

 今回の判決を受け、県警は引き続き被害者を支援する考え。元日弁連民事介入暴力対策委員長の疋田淳弁護士(大阪市)は「落ち度のない被害者を救済し、工藤会の力をそぐ画期的な判決だ。泣き寝入りしていた市民や企業も勇気を持って提訴できるようになる」と評価する。

 訴訟を機に工藤会の窮状は表面化しており、会側は会の「象徴」とされてきた本部事務所(北九州市小倉北区)を売却する意向を示している。提訴、そして、さらなる賠償命令が相次げば、工藤会の弱体化へ畳み掛けることになる。

=2019/04/24付 西日本新聞朝刊=

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