工藤会トップら賠償命令 市民襲撃指示認定し6400万円 福岡地裁判決

西日本新聞

 特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)が関与したとされる2件の市民襲撃事件の被害者側が、同会トップで総裁の野村悟被告(72)=組織犯罪処罰法違反罪などで起訴=らに計約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、福岡地裁であった。鈴木博裁判長は、民法上の共同不法行為や使用者責任を認め、計約6400万円の支払いを命じた。被告側は控訴する方針。

 一連の襲撃事件を巡り、同会トップに損害賠償を命じるのは初めて。

 判決によると、2事件は北九州市内で発生。2012年4月に福岡県警元警部が銃撃されて重傷を負い、14年5月には歯科医師が刺されて重傷を負った。

 賠償を命じられたのは野村被告のほか、ナンバー2の田上不美夫被告(62)、ナンバー3の菊地敬吾被告(46)、同会系組幹部田口義高被告(53)。

 判決で鈴木裁判長は、元警部に恨みを抱いていた野村被告には銃撃の動機があったと指摘。被告の指示に基づいて事件が実行されたとし、共同不法行為に当たると判断した。

 歯科医師事件に関しては、地元漁協の幹部を務めていた歯科医師の親族が、工藤会の港湾利権への介入を拒んでいたと説明。「親族を畏怖させ利権を獲得するために行われた事件で、野村被告ら上層部には組員への使用者責任がある」とした。

 訴訟を巡っては、福岡地裁が被害者側の申し立てに基づき、野村被告所有の駐車場に対する仮差し押さえを決定。また、別の市民襲撃事件のスナック女性経営者切り付けでは、女性側が野村被告らに計約7973万円の損害賠償を求める訴訟も起こしている。

 野村被告の代理人弁護士は「判決文が手元に届いていないのでコメントできない」としている。

=2019/04/24付 西日本新聞朝刊=

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