平成生まれ 1032票を背に 御船町議トップ当選の新人・井藤さん 「同世代と政治つなぐ」

西日本新聞

放課後等デイサービスの事業所で弟と遊ぶ井藤はづきさん(右) 拡大

放課後等デイサービスの事業所で弟と遊ぶ井藤はづきさん(右)

 21日投開票された御船町議選で、平成生まれの無所属新人、井藤はづきさん(27)が候補者で唯一、千票を突破しトップ当選を果たした。「変化を望んで投票してくれた人たちの期待に応えたい」。政治家のスタート地点に立った今、政治に距離を感じる同世代の先頭に立つ気概をにじませる。

 8人きょうだいの長女で、生まれも育ちも熊本市。岐阜県の大学で畜産を学んだ後、両親が暮らす御船町に帰った。小学校や放課後等デイサービスの児童支援員として働く中で、教職員が業務に追われ疲弊したり、少子化の波で複式学級に縮小したりする教育現場の課題を目の当たりにし、もどかしさを感じていた。

 今年2月、地元選出のベテラン議員が県議選にくら替えしたことで、区長らから出馬を打診された。当初は断ろうと考えていたが、「同世代のために自分にできることがあるかもしれない」と翻意し、可能性にかけようと決めた。

 若年層や子育て世帯をターゲットに、選挙戦に挑んだ。「若い人が住みたいと思える町に」。新興住宅地に通ったが、演説の前を素通りする人ばかりだった。政治が暮らしにつながっていると感じられず、無関心だった自身と重なった。それでも、「自分の声を町政に届けたいと願う人にとって近い存在でいたい」とマイクを握った。

 予想をはるかに上回る得票に「うれしさより大きなプレッシャーを感じる」と井藤さん。「期待をしっかり形にして返すことで、政治っておもしろいと思ってもらうきっかけをつくりたい」。1032票に託された思いと責任の重さをかみしめている。

=2019/04/24付 西日本新聞朝刊=