阿蘇の牧野をキスミレ彩る

西日本新聞

牧野の春を告げるキスミレ(手前)。ワラビ狩りの時期に開花する 拡大

牧野の春を告げるキスミレ(手前)。ワラビ狩りの時期に開花する

 野焼きを終えた阿蘇地域の牧野は今、キスミレに彩られている。北外輪山にある阿蘇市の宮坂牧野(165ヘクタール)では21日、県内外の家族連れにワラビ狩りを楽しんでもらう催しがあり、青空の下、キスミレの黄色い花もほほえんでいた。

 ワラビ狩りは、手野地区の住民グループ「手野名水会」(山部今朝範会長)が企画した。会員17人の多くが牧野組合員で、自慢の湧水と大草原の春を満喫してもらおうと、15年ほど前から毎春開催。今年は約20人が参加し、地元の女性たちが作ったおにぎりや団子汁が振る舞われた。

 牧野は口蹄疫(こうていえき)などの防疫上、観光客の立ち入りが規制されているが、「保全」だけではなく「活用」の視点にも立ち、期間を限定してトレッキング(散策)やマウンテンバイクなどのレジャー利用に開放する取り組みも徐々に進んでいる。

 直径1センチ程度の花を咲かせるキスミレは、野焼き後の牧野を最初に彩る。紫や白色の花が一般的だが、氷河期に中国大陸と日本が陸続きだった歴史をも物語る山野草として知られる。

 一帯ではサクラソウの開花も見られ、やがて紫色のハルリンドウに彩られる。

=2019/04/25付 西日本新聞朝刊=