「平成最後」合言葉にライブ&新譜 男性デュオ「ケイタク」、福岡市で“成長の軌跡”披露

西日本新聞 ふくおか都市圏版

「平成最後」をコンセプトにした新譜やワンマンライブについて語る「ケイタク」の内山敬太さん(左)と遠山卓也さん 拡大

「平成最後」をコンセプトにした新譜やワンマンライブについて語る「ケイタク」の内山敬太さん(左)と遠山卓也さん

ケイタクが4月30日リリースする新譜「takeaBREATH」のジャケット。2160円(税込み)

 福岡を拠点に活動するアコースティックデュオ「ケイタク」が29、30の両日、「平成最後のワンマン(単独)ライブ」と銘打った音楽イベントを福岡市中央区大名のホール「ルームス」で行う。月末には、同じ「平成最後」がコンセプトの新譜もリリース。平成の福岡で生まれ育ったデュオが成長の軌跡を地元で披露し、新元号「令和」へのカウントダウンを音楽で盛り上げる。

 ケイタクは、佐賀市出身の内山敬太(38)=ボーカル・ギター=と、熊本県水俣市出身の遠山卓也(40)=ギター・コーラス=で2001年に結成した。出会いは、たまたま隣り合わせで演奏していた福岡市・天神の路上。2人の名前にちなみコンビ名を決めた。

 「一人部屋に丸くなり/今日も暇をむさぼって/退屈なこの日々に/雨は油を注ぐ-」(ヒトリゴト)

 インディーズ時代、歌の題材にしたのは都会に生きる若者。不安や孤独にあえぎながらも前を向く姿を詞につづり、太く、伸びのある歌声と、ブルースやカントリーを源流とする軽快なギター伴奏で表現した。

 ともに地方出身。「歌に込めたのは自分たちの生きざま。多くの人の人生に“食い込む”音楽を奏でようと強気で突っ走った」と振り返る。数々の歌は若者らの共感を集めて活動を軌道に乗せ、05年にメジャーデビューを果たす。

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 福岡拠点は変えなかったものの、生活は一変した。新譜発表のたび、宣伝で全国ツアー。福岡を離れる時間が増え、多忙を極めたが、創作活動には弾みがついた。いろいろな地域での人々との交流が糧になった。

 蛍光灯に照らされ残業に追われるサラリーマン、街並みや人の心が移り変わる早さに驚く一方でマイペースを貫く「僕」-。「働き盛りの自殺を音楽の力で止めてくれ」。そんな声に耳を傾け、作った歌もある。

 東日本大震災や熊本地震の被災地では音楽の無力さも感じた。「被災地で最優先されるのは『衣食住』。ならば食い込むよりも“染み込む”音楽を」。創作の視点も徐々に変わり、時代そのものを見つめだす。

 11年には独立し、福岡市に「オフィスケイタク」を設立した。マイペースで活動できるようになったが、ライブ遠征の回数は増やし、現在は年200カ所近くに。アルバムもほぼ年1枚のペースで制作する。

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 通算18枚目の新譜の題名は「take a BREATH(テイク・ア・ブレス=呼吸する)」。「息を吸っては吐き続けることで人は日々を感じ、人を感じ、自分を感じる。それは新時代も変わらない」との思いを込めた。女性の視点で無常観をつづるボサノバ風の「カラフル」、孤独を前向きに捉えるロック調の「シャイン」など新曲6曲を収録している。

 ライブは両日とも午後6時開演で、29日が「弾き語り編」、30日は「バンド編」。前売りは1日分4千円(当日4500円)、共通券7500円。全席自由。

 平成最後の新譜とライブについて、ケイタクの2人は「平成に詰まった『青春』が令和になっても続くのはみんなに共通すること。時代の節目に自分の青春を見つめる。そんな時間を共有できる機会になれば」と話す。(敬称略)

=2019/04/25付 西日本新聞朝刊=