熊大「全面禁煙」崇城大など「分煙」 大学の受動喫煙対策、対応分かれる 7月改正法施行

西日本新聞

熊本大では26日から順次喫煙所が廃止される 拡大

熊本大では26日から順次喫煙所が廃止される

崇城大池田キャンパス(熊本市西区)では日本たばこ産業(JT)と共同で受動喫煙防止の施設を設置している

 全面禁煙か、分煙徹底か-。改正健康増進法の一部施行に伴い、7月から学校などの敷地内で喫煙が原則禁止され、喫煙所を残す場合は受動喫煙を防ぐために屋外への施設の設置が義務付けられる。3月末に熊本大が全面禁煙化を打ち出したが、県内の大学では対応が分かれる。

 全面禁煙に踏み切る熊本大。きっかけは昨年8月、総務省九州管区行政評価局にあった学生からの「煙が食堂まで入ってきて困る」という相談だった。同大では、付属病院がある本荘北キャンパス以外には屋外喫煙所があり、一部教員の研究室でも喫煙可能で、煙が外部に流れ出すなど分煙が徹底されていなかったという。

 「未成年者も多く通う教育機関として、受動喫煙防止は徹底しなければならない」と同大労務課の西川洋子課長。6月末までに喫煙所を順次廃止する。この動きを受け、熊本県立大も7月から敷地内での全面禁煙を決定。同大総務課は「分煙が徹底できる場所がなかった。悩ましいが法の趣旨にのっとって決めた」と話した。

 一方で、分煙の徹底を選んだ大学。崇城大池田キャンパスでは、屋根や壁を設けた屋外喫煙スペースを3カ所設置しており、7月の改正法施行後も維持するという。学生厚生課の浜口誠課長は「隠れて吸われ、火災になれば元も子もない」と話し、急速な方向転換には消極的。

 同大では2008年から薬学部敷地内で全面禁煙を開始。11年からは入学者募集要項に「非喫煙者であること」と明記した。健康に携わる薬剤師が喫煙するのは矛盾しているとの考えからだが、浜口課長は「これを全学部に適用するには反対の意見が強い」と対応の難しさをにじませた。

 熊本学園大も、教授会や学生との意見交換会で声を聞いた上で、分煙の徹底を進める。同大総務課は「キャンパスが住宅地の中にあり、構内を禁煙にし外部での喫煙が増えると周辺の環境悪化が懸念される」と話した。

 熊本大に通う工学部3年の男子学生(21)は1日に1箱は吸う“愛煙派”で、全面禁煙になれば「灰皿のあるコンビニまで行こうと思う。でもみんながそうするとは思えない」。一方、吸わない法学部4年の女子学生(21)は「禁煙はいいこと。方針決定で終わらず、ちゃんと対応も進めてほしい」と話した。

 県内でいち早く10年に全面禁煙を始めた熊本保健科学大によると、当初は構内で1日数十本の吸い殻が見つかった。教職員が拾い歩くなどして対策、指導した結果、現在ではほぼなくなったが「やはり時間はかかった」(学務課)という。

=2019/04/26付 西日本新聞朝刊=