大衆演劇がどんたく初見参 都若丸劇団と博多新劇座が企画 はかた駅前通りでパフォーマンス

西日本新聞 ふくおか都市圏版

「博多どんたく港まつり」に初登場する大衆演劇の都若丸さん 拡大

「博多どんたく港まつり」に初登場する大衆演劇の都若丸さん

都若丸劇団のポスターを前に、博多どんたく出演への思いを語る博多新劇座支配人の安東孝幸さん

 「第58回博多どんたく港まつり」(5月3、4日、福岡市)で、初めて大衆演劇の一座が路上パフォーマンスを繰り広げる。大役を担うのは、大衆演劇界で屈指の動員力を誇る「都若丸劇団」。JR博多駅近くの芝居小屋「博多新劇座」の5月公演を預かる人気劇団は、4日午前に「はかた駅前“どんたく”ストリート」(はかた駅前通り)に登場。「大衆演劇を少しでも知ってほしい」と劇場を飛び出した下町のスターたちが、「芸どころ博多」の巨大イベントに新風を吹き込む。

 座長の都若丸さん(39)は2歳で初舞台を踏み、20歳で劇団を引き継いだ大衆演劇界のエリート。関西を拠点に全国を渡り歩き、キレのいい踊りや妖艶な女形などが評判の当代を代表する人気役者の一人だ。

 仕掛け人は、博多新劇座支配人の安東孝幸さん(41)。同劇場では、これまでも博多駅ビル内などでミニショーや写真展などPRイベントを仕掛けてきたが、来場客数に大きな変化はなかった。「何とかしなければ」と昨年5月、若丸さんにどんたく出演を打診したところ、「できることは何でもやるから」と快諾を得たという。

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 18年前、安東さんは舞台美術の見習いとして大衆演劇の世界に足を踏み入れた。右も左も分からないまま、博多新劇座の見学に訪れたその日、舞台に立ちスポットライトを浴びていたのが、既に「売れっ子」となっていた若丸さんだった。それ以来の気心の知れた付き合いだ。

 大型連休中の昼公演は、全国からファンが押し寄せる書き入れ時。それを休んでまで、どんたくを見たこともない若丸さんが「博多には愛着がある」と“二つ返事”で引き受けてくれた心意気に、安東さんは感銘を受けたと話す。

 今回、どんたくに出演する劇団員は若手中心の13人。屋内の舞台と違い、沿道の見物客に前後左右から見つめられる中、板張りではなくアスファルトで踊る。10分間の路上パフォーマンスでは、ステージのフィナーレを飾る総舞踊を披露。出演時間が20分間に増える演舞台では、若丸さんの個人舞踊やチャンバラも加えるつもり。

 「大衆演劇がこんなもんかと思われないように全力でぶつかっていく。大衆演劇ならではの『タメ』のようなものを見せられれば」と若丸さん。街頭で紡ぎ出す夢舞台の筋書きは完璧だ。

=2019/04/26付 西日本新聞朝刊=