ジュニア 最多9人出場 飯塚国際車いすテニス 国枝、上地選手の活躍が刺激

西日本新聞 筑豊版

初戦に向けて練習に汗を流す久保下郁弥選手 拡大

初戦に向けて練習に汗を流す久保下郁弥選手

 飯塚市で開かれている天皇杯・皇后杯第35回飯塚国際車いすテニス大会はジュニア(18歳以下)の選手が9人エントリー、過去最多だった前回大会(3人)を大幅に上回った。事務局によると、世界で活躍する国枝慎吾、上地結衣両選手が目標となっているほか、ジュニアの育成環境の整備が背景にあるとみられるという。県内2選手のうち初出場の久保下郁弥さん(17)=久留米市=は25日、会場内で練習、初戦に備えた。

 日本車いすテニス協会の次世代育成強化指定選手に選ばれている久保下さんは、脳性まひのため両手足に障害があり、幼稚園では歩行器、小学生から車いすを利用している。

 小学4年の時、テニスをしていた兄と弟の影響で車いすテニスを始めた。普段は出さないスピードで車いすを走らせる爽快感やボールを打った際に腕に伝わる感触に夢中になり、週1回、佐賀県内のコートで練習するようになった。

 小学校卒業前、神戸市であった大会で同年代の選手が力強いショットを放つ姿に驚き、本格的に練習を開始。コートに週4日通い、1、2回戦敗退が続いても「伸びしろがある」という周りの言葉を信じて練習を重ね、クアード(四肢まひ)の国内ランキングで15位になるまでに成長した。

 飯塚大会を「車いすテニスの聖地」という久保下さんは「車いすテニスの大会は自分にとってスポットライトが当たる場所。国枝選手のような強い選手と同じ大会に参加できてうれしい」と、初勝利を胸に期す。

 久保下さんのような有望な選手を育てようと、環境整備も進む。九州では2016年に熊本車いすテニスクラブ(熊本県荒尾市)が中心となりジュニア向けの九州レインボーを立ち上げ、現在5県の30人が所属。飯塚大会を主催する九州車いすテニス協会(飯塚市)もレインボーに所属する筑豊地区の選手のためにコーチや練習相手を派遣するなど協力している。

 日本車いすテニス協会会長も務める前田恵理・飯塚大会会長は「『世界と戦うのはそう遠い道のりではない』と目の色が変わり始めたジュニアが増えてきた。24年、28年のパラリンピックを目指してもらえるよう全力でサポートをしていきたい」と話している。

=2019/04/26付 西日本新聞朝刊=