異例の最大10連休 特需に沸く観光地 保育施設や医療機関は対応に追われる

西日本新聞

10連休の診療態勢について知らせる掲示板=24日、福岡市中央区の佐田病院 拡大

10連休の診療態勢について知らせる掲示板=24日、福岡市中央区の佐田病院

10連休を前に銀行のATMにできた行列=25日、福岡市役所内郵便局

 最大10連休のゴールデンウイーク(GW)が27日から始まる。九州の観光地は特需に沸くが、保育所や医療機関では大型連休に備えた対応に追われている。

■観光、交通

 視線が集まるのは、新元号・令和の由来の地である福岡県太宰府市だ。JR西日本によると、26日~5月6日の山陽新幹線の予約席数は前年比69・9%増。福岡支社の中村政彦広報室長は「『令和』効果で、京阪神から太宰府に向かう人が多いようだ」と話す。改元に伴い、日本文化への関心が高まり、各地の神社仏閣巡りも人気という。

 同市の大宰府展示館。例年の来館者数は年間7千人程度だったが、元号発表後は1日約千人が訪れ、4月の来館者数は2万人を突破した。GW中も多くの観光客が見込まれるため、同市は付近に150台分の臨時駐車場を開設し、市庁舎の駐車場も開放する。

 JTBによると、国内のツアー商品を活用して九州に宿泊する客数は前年比4割増。杉乃井ホテル(大分県別府市)も連休初日(27日)と最終日(5月6日)を除いて満室で、飛び石連休だった昨年より5割増という。

 2016年の熊本地震で甚大な被害を受けた熊本・阿蘇地区も活気を取り戻しつつある。阿蘇ファームランド(熊本県南阿蘇村)の宿泊施設は期間中ほぼ満室で「地震前には届かないが、だんだんとにぎわいが戻ってきた」と担当者。ただし、16日の阿蘇山噴火が影響し、一部でキャンセルが出ているという。

■保育、病院など

 25日午後、福岡市・天神の現金自動預払機(ATM)には現金を下ろす人たちが列を作った。連休中もATMは通常通り稼働するが、手数料が必要。現金を引き出した40代女性は「普段から手数料がかからない平日に下ろしている。連休中はすべて休日扱いになるので少し不便です」。

 異例の大型連休で一番困っているのが、仕事を休めない子育て家庭だ。本紙の特命取材班にも、1歳児を持つという母親から「キャンセル待ちの状態。どうしたらいいのか」と切実な声が届いている。

 福岡、長崎両市は保育所が利用できない世帯を対象に市立保育所で休日保育を受け付けたり、認定こども園も臨時開設したりする。認可外の保育施設でも一時預かりを受け付けており、福岡市東区の「こどものもり」の福永吉宏施設長(39)は「普段利用しない人からの問い合わせが多い」と話す。

 一方、医療機関については政府が都道府県に対し、連休中の開設状況を周知するよう要請。九州各県でも外来や救急を受け入れる医療機関をホームページで公開している。

 長崎県の離島では外来を受け入れる医療機関が一つもない日があるといい、県医療政策課は「できるだけ連休前に受診してほしい」と呼び掛けている。

=2019/04/26付 西日本新聞朝刊=