「鉄人」半世紀、衰えぬ意欲 久留米市の鍛金職人・井上さん 29日から福岡市で個展

西日本新聞 筑後版

鉄を切り出して作った人物のシルエットのオブジェと井上雅晴さん 拡大

鉄を切り出して作った人物のシルエットのオブジェと井上雅晴さん

ゆらゆらと綱渡りする「鉄人のサーカス」

 彫金や鍛金、ワイヤアートなど多彩な手法で鉄の可能性を追究してきた鍛金職人の井上雅晴さん(70)=久留米市=が、活動50年を記念する個展「鉄人の世界~50年作品展」を29日から福岡市・天神のアクロス福岡「匠(たくみ)ギャラリー」で開く。5月5日まで。

 井上さんは1970年に「鉄人」という屋号を掲げて作品作りを始め、77年にドイツで鍛金を学んだ。久留米市立草野歴史資料館(国登録有形文化財)の門扉や、アクロス福岡横の「出合いの鐘」など各地に印象的な作品を残した。2013年には長崎県・ハウステンボスでのガーデニングワールドカップフラワーショーのホームガーデン部門で金賞(3席)となるなど、鉄工を生かした作庭も手がけてきた。

 「鉄は人間と同じ」と井上さんは言う。赤々と軟らかな鉄は赤ん坊、青光りする鋼は青年、さび付きもろくなった鉄は老年-。風化して土に返れば、鉄も人間と同じく自然と同化する。「人が使った鉄には人のぬくもりが残る。そういうものば大事にせんと」。廃材を活用したオブジェや動く彫刻の「モビール」など、人の暮らしに寄り添う作品を作り出してきた。

 個展には初期作から新作まで約50点を展示する。「鉄人のオーケストラ」では鉄で形づくられた人間が交響曲を奏でる様子を描いた。モビールの創始者、アレクサンダー・カルダーに触発されて作った「鉄人のサーカス」は、絵本の中から飛び出したようにユーモラスだ。「鉄は人の心も支える。もっと作りたい」

 入場無料。

=2019/04/27付 西日本新聞朝刊=

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