漁師一家の心づくし 長崎・対馬「海におまかせ定食」

西日本新聞

 おいしい魚が食べたい。海外で働くすし職人の友人に頼まれて向かったのは、長崎県対馬市、料理店「海小屋吉栄(よしえい)」だ。食材は、地元漁師の吉村修治さん(63)一家が一本釣りやカゴ漁で取った海の幸。旬の海鮮バーベキューや郷土料理を提供してくれる。

 迷うことなく「海におまかせ海鮮定食」(2千円)=写真=を注文した。コリコリの食感と心地よい苦味のサザエ、ねっとりして甘いイカなど刺し身を堪能。原木シイタケとイカゲソのかき揚げは、サックサクの歯触り。水揚げしたばかりのヒオウギ貝の焼き物は身が太り、ひと口では頬張れないボリューム。おわんの一品は、江戸時代の凶作の際に六兵衛さんが考案したという、サツマイモを原料にした伝統の麺料理「ろくべえ」。

 「磯の香りと香ばしい味わい。僕の中の日本人のDNAが歓喜してまーす」と友人も大喜びだった。

 包丁を握るのは吉村さんの長男の妻、店長を任されているひとみさん(40)。「春はワカメ、夏はところてん、冬はカジメなどの海藻も付きます。四季折々の対馬の恵みを楽しんでもらえたら」。漁師民泊も営むこのお店。ひとみさんの指導で、ろくべえ作りを体験し、釣りにも挑戦した。

 さて、店の眼前に広がるのは「大漁」湾、当地の集落名は「千尋藻」。おろしか、ちろもと読むそうで、豊かな海を実感させるネーミングに、これまた感じ入った小旅行だった。

 ▼海小屋吉栄 定食1000~5000円、バーベキュー1500円から、体験メニュー2000円から。営業は午前11時半~午後2時、夜は予約(3日前までに)のみ。毎週水曜と第3土曜が休み。電話=0920(58)0102。

=2019/04/27付 西日本新聞夕刊=

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