焼き物ファン 品定め 県内各地でまつり開幕

西日本新聞

美術書や図録、陶磁器関連本が並ぶ古書市 拡大

美術書や図録、陶磁器関連本が並ぶ古書市

大川内山ならではの青磁を特価で並べる会場 旧唐津銀行のテーマ展では、40の窯元が新作の「ちょこ」を展示している

 県内各地で29日、陶器市や焼き物祭りが一斉に開幕した。あいにくの雨にもかかわらず、多くの焼き物ファンが散策し、品定めを楽しんだ。

有田陶器市 美術古書市や碗琴の演奏も

 有田町で始まった恒例の有田陶器市には、今年も全国から熱心な愛好家たちが集まった。

 陶磁器店や飲食の出店が軒を連ねる中、蒲仙堂では東京の「やすだ書店」が美術工芸書の古本市を開催。陶磁器関連の貴重な本や図録、地図・切手類などを特価で販売している。同書店の安田空さん(35)は「有田の常連さんには目利きが多い。若い人もぜひ勉強に古書を役立てもらえたら」と話した。

 古田商店では、名品陶磁器が並ぶ一角で有田工業高吹奏楽部の岩永弥旺(ねお)さん(17)=3年=と原田志紋(しもん)さん(16)=2年=が、陶磁器の楽器「碗琴」を演奏。優しい音色が雨音と響き合い、通りの客が足を止めて聞き入っていた。

伊万里やきものまつり 雅な絵付けや青磁も特価で

 伊万里市の大川内山では「伊万里やきものまつり」が始まった。霧が立ちこめる山並みを背景に、買い物客たちは佐賀藩窯ゆかりの雅な絵付けや透明感あふれる青磁を堪能した。5月5日まで。

 虎仙窯では、青磁の食器類を特価で販売。同1日からは自社ブランド「KOSEN」の新商品も展示する。畑萬陶苑では、改元と新天皇・皇后の即位記念のぐいのみセットを発表。展示室では万葉集の和歌とともに鍋島伝統の技を紹介している。中国茶や中華料理に合うチャイナシリーズの新作も並ぶ。

 名古屋市から車で初めて訪れたという坪内翼さん(33)は「たくさんの窯元を見られてよかった。瀬戸物とはまた違う雰囲気ですてき」と話した。

唐津やきもん祭り 新作「ちょこ」40の窯元展示

 唐津市中心部では、「食と器の縁結び」と銘打った「唐津やきもん祭り」が始まり、空き店舗を使った展示即売や唐津焼の器で料理を楽しむイベントなどがあった。5月5日まで。

 8回目の祭りのテーマは「ちょこ」。本町の旧唐津銀行では、40の窯元が新作のちょこを展示する「ちょこの愉(たの)しみ」(入場無料)を開催。黒や白、茶色のちょこや徳利(とっくり)が並び、来場者の目を楽しませていた。

 旅行で訪れた東京都墨田区の会社経営、和泉清貴さん(65)は「土のにおいがする陶器が好きで唐津に来た。各窯元の色や個性が出ておもしろい」と話した。

 30日は、コピーライターの杉山恒太郎さんとグラフィックデザイナーの原研哉さんの対談・玄海フォーラム「一年生と地平線」を南城内の大手口センタービルで開く。入場無料。祭りの問い合わせは唐津観光協会=0955(74)3355。

=2019/04/30付 西日本新聞朝刊=