紫電改の撃墜映像を公開 大分・宇佐市の市民団体 築上町での「悲劇」裏付け

西日本新聞

「豊の国宇佐市塾」が公開した、福岡県築上町上空で米戦闘機に撃墜される紫電改の映像 拡大

「豊の国宇佐市塾」が公開した、福岡県築上町上空で米戦闘機に撃墜される紫電改の映像

小原公民館に保存されている紫電改のプロペラの一部。弾丸の貫通痕も残るなど空中戦の激しさを物語る

 太平洋戦争時に米軍が撮影した映像解析に取り組む大分県宇佐市の市民団体「豊の国宇佐市塾」は4日、旧日本海軍の戦闘機「紫電改」が、福岡県築上町上空で撃墜されたとみられるカラー映像を公開した。地元は「紫電改のプロペラ」の一部を大切に保存し、搭乗員の慰霊祭も毎年開催するが、知る人は少なくなっている。今回の映像は、地域がつないできた「戦時下の悲劇」を史実的に裏付けたともいえ、住民は「感慨深い」と話している。

 紫電改は零式艦上戦闘機(ゼロ戦)に代わる戦闘機として戦争末期に開発された。映像は14秒。1945年8月8日午前10時15分ごろ、同町上空で米陸軍戦闘機P51の搭載カメラが捉えていた。

 塾によると、当日は八幡市(現北九州市)を中心に九州各地を攻撃する米軍機数百機を迎撃するため長崎県大村市の海軍基地所属だった紫電改24機も出撃。そのうちの1機が築上町上空で4機のP51と空中戦に。米軍の任務報告書にも「(紫電改は)墜落した」との記載があるという。

 同町小原地区の中西義季さん(79)は「裏山で腰を抜かすほど大きな音がした」と墜落当時の記憶を語る。集落の男性がプロペラ(約160センチ、約50キロ)を持ち帰り、10年ほど前から小原公民館で保存。同地区は毎年3月に搭乗員の慰霊祭を続ける。中川文敏自治会長(68)は「昭和は遠くなったが、語り継ぐ責任を感じる。今後も慰霊祭を続けたい」と話す。

 塾は2011年から米国立公文書館が保存する映像を収集。日本への空襲や日本軍との空中戦に関する計36時間分を購入して日時や場所を特定する作業を続け、17年にも紫電改の空中戦映像を解析、公開している。

=2019/05/05付 西日本新聞朝刊=

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