【小児がん 母と娘の闘病日記】(11)娘から 副作用に苦しんで、また…

西日本新聞 医療面

 白血病の治療が進むにつれて、私は抗がん剤の副作用に苦しめられました。何度も気分が悪くなったり、頭やおなかが痛くなったり…。薬で抑えられる症状もありますが、タイミングを合わせないとうまく効きません。副作用を抑えること自体が苦痛に感じることもありました。

 苦しんでいたのは周りの友達も同じ。院内学級に来てもきつそうで、途中で横になる子もいました。私は白いご飯が食べられなくなり、友達はお茶漬けばかり食べ続けていました。これも副作用の一つで、味覚が変わって味の濃い物しか受け付けなかったのです。

 もちろん髪の毛も抜けました。祖母が作ってくれたかわいい帽子のおかげで、それほどショックは受けませんでした。友達も髪の毛がなかったから気にならなかったのかもしれません。4人部屋の病室にいる間は私も友達も帽子をかぶらずに過ごしていました。

 治療を受けると免疫力も下がってしまいます。感染症にかかりやすくなり、生ものは食べられず、病棟からも出られなくなります。白血球の数が増えないと次の治療にも進めません。どんどん治療が遅れて退院が遠のいてしまい、悔しい思いでした。

 治療を受けて、苦しんで、少し回復して、また次の治療を受ける。入院中はこの繰り返し。検査やリハビリ、体調が良ければ勉強したり、遊んだりすることもあって、毎日生きることで精いっぱいだったな。今はそう思います。

 だから、治療が始まってからは「自分も死ぬかもしれない」と考える余裕さえありませんでした。「退院したら何しよう」と考える小児がん患者も多いようですが、私はそれもなかった。

 年数がたって、肉体的につらかった感覚は消えていきましたが、あんな思いは二度としたくない。正直な気持ちです。

(山本芙優=北九州市立大3年)

=2019/04/29付 西日本新聞朝刊=

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