ママ気象予報士が奔走 地震がきっかけ「命を守れる力を」

西日本新聞

防災・天気教室で実験器具を使って気象の仕組みを説明する早田蛍さん 拡大

防災・天気教室で実験器具を使って気象の仕組みを説明する早田蛍さん

 気象予報士の有志でつくる防災・気象教育啓発団体「防災WEST」のメンバーとして、八代市の早田蛍さん(32)が地域や学校などを対象に精力的に活動している。水害などの災害が多い中山間地の同市坂本町で育ち、2児の母親の早田さん。防災教室などで「温暖化などで災害が起きやすい気象状況になっている。いざというときに自分の命を守れる力を身に付けてほしい」と訴えている。

 早田さんは高校2年の時、地学の授業で気象の面白さを知り、気象予報士を夢見るようになった。球磨川が流れる坂本町は自然が豊かな反面、水害や土砂崩れなどが頻発していたことも気象への関心を高めた。福岡市の大学に入学後、年2回の予報士の試験を受け始め、大学4年の時に8回目の挑戦で合格した。

 気象予報士の活動を本格的に始めたのは2016年4月に起きた熊本地震がきっかけ。結婚・出産後、宮崎市に住んでいた早田さんは、深刻な被害や避難所の様子を聞き「何かしなければ」という思いと、2歳と生後7カ月の子どもを抱え、「何もできない」悔しさを感じた。同年秋、熊本市への夫の転勤を機に、実家の親に子どもの世話を手伝ってもらいながら、県内外の予報士たちと防災WESTを結成した。

 活動の中心は、自然災害から身を守るための防災教室と、気象に興味を持ってもらうための天気教室。目指しているのは、災害発生時に命を守るために自ら考え、判断し、行動する力だ。防災では、災害時にどのタイミングで何をするかを平時に考え、行動の目安にする「マイタイムライン」作りにも力を入れる。早田さんは「どんな災害が起こりやすいかは地域によって違う。住んでいる所の災害リスクを知って備えることが一番大事」と強調する。

 昨年12月には、八代市の龍峯小校区で児童、保護者・職員、地域の各種団体を対象にした3回の防災ワークショップに講師などとして関わった。同校区は山が迫り、大雨による土砂災害の危険性が高いとして、学校が中心となって企画した。早田さんは「地域全体で防災力をアップさせる理想的な取り組み」と評価する。

 防災WESTはテレビの気象キャスターやラジオパーソナリティー、防災ヘリの機長など約10人で構成。早田さんは「母親目線の分かりやすい言葉で、市民一人一人の防災意識が高まるように呼びかけていきたい」と意気込む。

=2019/05/08付 西日本新聞朝刊=

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