福岡市、民泊運営正常化進む 「合法」7倍の1840室 昨年厳罰化 住民の苦情も3割減

西日本新聞

福岡市が近隣住民の苦情を受けて使用する調査票。外国人利用客にも事情を聴くため外国語表記になっている 拡大

福岡市が近隣住民の苦情を受けて使用する調査票。外国人利用客にも事情を聴くため外国語表記になっている

 空き家や空き部屋を利用した「民泊」について、福岡市で昨年度、許可や届け出が受理された施設(部屋数)が前年度までの約7倍の1840室に上ったことが分かった。一方、近隣住民の苦情は約3割減少。一時、民泊仲介サイトにあふれていた違法業者の情報も激減した。市は昨年6月に民泊の新たなルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)と、違法民泊を厳罰化した改正旅館業法が施行されたため民泊の合法化が一定程度、進んだのではないかと分析している。

 民泊を巡っては本格営業する場合、旅館業法に基づき自治体から許可を得るか、年間180日を上限に営業する際も民泊新法に基づいて届け出が必要。改正旅館業法では違法民泊に対する罰金を3万円から最大100万円に引き上げ、自治体に立ち入り権限を与えるなど、罰則を厳しくした。

 九州で最も民泊施設が多い福岡市によると、市に届いた昨年度の苦情は前年度より54件減の115件。苦情の中で最も多かった「見知らぬ人が出入りして不安」という声も62件から35件にほぼ半減した。新法で民泊営業者に苦情連絡先の掲示や対応まで義務づけたことが奏功したと市はみる。

 民泊仲介サイトには一時2千件を超す違法民泊が掲載されていたが、サイト運営者が国の要請を受けて次々と削除。4月初旬現在、約1600件が掲載されているが、掲載の際に許可や届け出の有無を確認しているという。違法営業の情報があれば、市は現地調査を経て営業停止の指導を行い、民泊仲介サイトに掲載中止を要請している。

 合法化が進む一方で、依然排除しきれない違法民泊もある。法改正により違法民泊を把握した際、市はマンションの管理会社から営業者の情報を得られるようになったが、業者が海外在住の外国人だった場合は連絡が困難なほか、言葉の壁などの問題もあり指導が行き届かない。また連絡がついても「友人を泊めただけだ」「出張時の滞在先として社員に無料で使わせている」などと民泊営業を認めないケースも少なくない。市の担当者は「外国人営業者に対する事情聴取や、民泊営業の実態を調査する国の専門チームも必要ではないか」と指摘している。

=2019/05/08付 西日本新聞朝刊=

PR

最新記事

PR

注目のテーマ