指宿市の地熱発電事業に黄信号 三者協定が破綻 新共同事業者公募へ

西日本新聞

 鹿児島県指宿市が進める地熱発電事業で、共同事業者のセイカスポーツセンター(鹿児島市)が事業から撤退したことが8日分かった。市が同日の市議会議員懇談会で報告した。市は地熱発電事業は継続する方針で、今月13日から新たな共同事業者を公募する。

 事業は、市と九州電力、セイカスポーツセンターの3者が共同で行う計画で、2015年5月に協定を締結。市は所有する温泉施設「山川ヘルシーランド」に蒸気を取り出す井戸を整備し、2社が建設予定の発電施設に蒸気を売却、余った熱水を農業や観光に活用する構想だった。

 しかし、温泉旅館業者の反対運動や市議会の百条委設置などの動きもあり、予定していた独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」(JOGMEC)の助成金が受けられず、事業は頓挫していた。

 市によると、セイカ側は4月12日付の文書で、運動施設の指定管理業務などの本業に集中したいとして三者協定からの脱退を申し出た。市と九電は「経営上の判断でやむを得ない」として受け入れた。協定離脱でも「広い意味で被害はない」として、セイカ側に違約金などは発生しないという。

 議員懇談会では「簡単に行政の協定が破られていいのか」「市も無責任だ」と批判がある一方、「前に進まないので撤退したのではないか」と理解する声もあった。

 市は7月上旬までに業者を選定し、再度JOGMECの助成金に応募する方針。佐藤寛副市長は取材に対し「市民の思いもこもったプロジェクトなので再スタートさせてもらう。それが市の使命と思っている」と話した。

=2019/05/09 西日本新聞=