アビスパファン支えるホテルマン スポンサー企業の児玉さん 格安宿泊プランを企画 観戦券や駐車場 個人ツイッターで助力

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 JR博多駅の筑紫口そば「博多グリーンホテル2号館」のフロントには、アビスパ福岡の全選手、監督のサイン入りボールやユニホームが飾られ、知る人ぞ知るクラブの名物スポットになっている。スポンサー企業でもある同社が「九州の玄関口」でアビスパをPRする背景には、熱烈なサポーターとして知られるホテルマンの存在があった。

 営業支配人を務める児玉慎一郎さん(55)=久留米市出身。ホテルがスポンサーになったのは3年前からだが、自身は20年来のサポーターでもある。

 前職は旅行会社員。1993年、Jリーグの開幕や「ドーハの悲劇」をテレビで見て、盛り上がりに関わりたいと、福岡市から出発する、日本代表やJリーグの観戦ツアーを企画したのがサッカーに関わるきっかけに。95年にアビスパの前身である「藤枝ブルックス」が同市に移転。待望の地元プロサッカークラブが誕生すると、子どもを連れて試合に通い、観戦にのめり込んだ。「プロの選手はほとんどが1年契約。クビが目の前に迫っているような状態の中、90分という限られた試合時間に人生を懸け、走り続ける姿に感動を覚えた」

 一時、元アビスパ選手の宮本亨さん(現アビスパ下部組織コーチ)の縁で、ギラヴァンツ北九州を支える立場になっていた。2011年当時、ギラヴァンツ所属だった宮本さんの「母校の小学生を試合に招待したい」という依頼を受けたことをきっかけに、北九州からのアウェー観戦ツアーを手掛けるように。本拠地に通って参加者を直接集客し、添乗員として自らバスに乗り、遠征先ではユニホームを着て人一倍大きな声がかれるまで応援した。格安ツアーは転職するまでの3年間で35回開催した。

 ホテルマンへの転身後、勤め先がアビスパのスポンサーになったのは偶然だった。「今までの経験が、ホテルの営業にもサポーターにも役立てるかもしれない」。会社と相談して観戦券付きの格安宿泊プランを企画したほか、館内にグッズやポスターを掲示して「博多にアビスパあり」と前面に打ち出した。個人のツイッター(@king_kodama)では、宿泊先や観戦券、駐車場を探すファンに手を差し伸べるなど、スポンサー企業社員の立場を超えた発信を続ける。

 「会社で利益を上げることが、アビスパを支え続けることにつながる。サポーターとしては、試合に行きたいと思える人を1人でも増やすために動く」。試合に通うため、ホテルが忙しい土日に休みをもらえるように一生懸命働くという児玉さん。「スタジアムでアビスパの勝利を見たい」という思いは、20年前から変わらない。

=2019/05/10付 西日本新聞朝刊=

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