災害時の行動、時系列で 東峰村、村民レベルで検討

西日本新聞

行政区のタイムラインについて意見を交わす福井地区の住民たち 拡大

行政区のタイムラインについて意見を交わす福井地区の住民たち

 2017年7月の九州豪雨で被害を受けた東峰村の全15行政区が、災害に備えた村民レベルの事前防災行動計画「行政区のタイムライン」の作成を始めた。今月7日に福井地区住民が協議したのを皮切りに月内に4地区ごとに話し合い、案を集約。6月23日に全行政区で行う防災訓練でタイムラインを活用する。「タイムラインを活用して自分たちの命は区の共助で守る」。災害の痛みを知る村で動きが本格化してきた。

 タイムラインは、豪雨や台風、地震などの際、事前に誰が、いつ、どう動くかを時系列で一覧表化した計画。災害時に慌てずに備えや避難ができる。自治体は職員がスムーズに行動するため災害種類別に既に作成している。さらに住民にも呼び掛けているが、普及はなかなか進まない状況だ。県によると、行政区を単位とする住民レベルの作成は県内では珍しいという。

 村は昨年度、九州大大学院の三谷泰浩教授らの支援を受け、行政区ごとに危険箇所などを記した地区防災マップを作成した。本年度は大雨に備えたタイムラインづくりを村が全村民に呼び掛け、梅雨や台風シーズンを前にいよいよ取り組みが始まった。

 福井地区を中心にした話し合い「行政区部会」は7日夜にあり、住民34人を含む約60人が参加した。参加者は行政区ごとにグループに分かれ、「事前対策」「前日」「半日~数時間前」「2時間ほど前」の4段階で、まず個人の行動計画(マイタイムライン)を検討。この中で「前日は携帯電話を充電し高齢者ら要支援者と連絡を取る」「半日~数時間前になると避難時の所持品を確認し家族と居所を連絡し合う」などの行動計画が出された。その上で行政区タイムラインを検討。「谷の水が増えたら区内に知らせる」など危険情報を早期に共有するための提案などがあった。

 話し合いに参加した西福井区長の佐々木茂季さん(63)は「災害時に行政区住民が役割分担すれば(備えが)一歩進む」と語った。話し合いは15日までに宝珠山、小石原鼓、小石原の3地区でも開かれる。

 村は6月にも、行政区タイムラインの文書を全戸配布し、そこに家庭ごとの個人のマイタイムラインも記入してもらう考え。三谷教授は「タイムラインを作ることで避難の課題もあぶり出され、命を守ることにつながる」と話している。

=2019/05/11付 西日本新聞朝刊=