「G20」県警、福岡市は準備着々 交通規制周知や「金融」授業… 財務相・中央銀総裁会議まで1カ月 警備対策、機運醸成にも力

西日本新聞

街頭でG20に伴う交通規制を周知する関係者=9日、福岡市・天神 拡大

街頭でG20に伴う交通規制を周知する関係者=9日、福岡市・天神

すごろくを通して経済や金融について学ぶ小学生=8日、福岡市中央区の舞鶴小

 6月8、9日に福岡市で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議まで1カ月を切った。主要国の財務相や中銀総裁など約60人の要人が一堂に集う九州では前例のない国際会議で、福岡県警は警備や交通規制に伴う渋滞対策に注力。福岡市などは、最新の国際金融情勢が議論される会議を契機に、金融とITが融合した「フィンテック」の先端都市を目指そうと、さまざまなイベントを企画して機運を盛り上げている。

 同会議は1999年から毎年数回開かれているが、日本では初めて。国内外の要人が約60人にも上る国際会議は全国的にもまれで、県警G20サミット対策課の牛島博文次席は「経験したことのない大規模な警備になる」と気を引き締める。

 県警は、これまでに会場となるヒルトン福岡シーホークや福岡空港などでのテロを想定した訓練を実施。会議期間中は、市中心部で大規模な交通規制や検問を行うため、渋滞対策にも力を入れる。

 交通規制は、空港や会場周辺など広範囲に及ぶ。県民生活や経済活動への影響は避けられず、県警や行政、経済団体でつくる協議会は都心の交通量を4割削減する目標を設定。チラシなどでマイカー利用の自粛や公共交通機関の利用を呼び掛けている。

 ただ、県警が4月に実施した調査では、会議に伴う交通規制を知っていた県民は3割弱にとどまった。今後はテレビやラジオCMを強化する予定で、9日には天神で街頭キャンペーンも実施。牛島次席は「あらゆる手段を使って積極的に周知を図る」と話す。

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 G20会議では、米中貿易摩擦が世界経済に与える影響のほか、生活に密着したフィンテックの活用なども議題になる。福岡市などは、金融の最前線が話し合われる会議を今後のまちづくりにつなげたい狙いで、6月1~6日に「G20ウイーク」と銘打ち、フィンテック関連イベントを連日開催。日本が世界から後れを取っているキャッシュレス決済の推進などにつなげる考えだ。

 また、同市や福岡財務支局、日銀福岡支店が熱を入れるのが、若者への発信だ。次代を担う若者に暮らしを支える金融に興味を持ってほしいと、2月から小中高生などを対象に特別授業やセミナーを協力して展開中。小中学校では財務支局や日銀の職員が、ゲームなどを通じて為替やキャッシュレスの仕組みを分かりやすく解説している。

 財務支局の藤崎直樹財務広報相談室長は「福岡から金融リテラシー(理解力)があるグローバルな人材を育てたい」と意気込んでいる。

=2019/05/12付 西日本新聞朝刊=