未入所児童、筑豊3市で271人 保育士不足入園できず 受け皿拡充も定員割れ

西日本新聞 筑豊版

 筑豊地区では、認可保育所に入れない待機児童や自宅近くの特定の園を希望して入れないなどの隠れ待機児童を合わせた「未入所児童」が4月、飯塚、直方、宮若3市いずれも100人に迫る多さだった。共働き世帯の増加や10月からの幼児教育・保育無償化への期待から入所申し込みが増えたことが要因にあるとみられるが、保護者からは切実な声も聞かれる。

 「保育園に全て落ちました。働けません」。宮若市の女性から、西日本新聞筑豊総局に手紙が届いた。

 同市では今春、老朽化を理由に市立の保育園と認定こども園の計2カ所が閉園となり、民間の保育園1カ所と認定こども園1カ所が新しくできた。4月1日時点の市の未入所児童は計94人(待機児童48人、隠れ待機児童46人)。計39人だった昨年同期の2・4倍となった。

 市全体で受け入れ能力自体は30人ほど増えたが、丸々受け入れられない事情がある。保育士が足りないのだ。市は昨年度、保育士の就労面談会を計6回開催。市内での勤務につなげようと、保育科のある大学には実習にきてもらうよう要請しているが、保育士確保は容易ではない。今春、50人以上定員割れした園もあった。

 「現在の状況は市にとって非常事態」。有吉哲信市長は市議会3月定例会でこう述べ、幼保無償化の影響にも触れた。しかし、保護者からは不満も漏れる。子どもが今春入園できなかった母親は「一時預かり保育も週3回の条件があり、利用するには料金も高い。働きに出たかった…」。ベテラン保育士は「市立2園を閉めたが、1園でも残すべきと保育現場からは声を上げていた。待機児童が増えたのは『やっぱり』との思いがある」と指摘する。

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 筑豊のほか4市の4月の未入所児童は直方90人(うち待機児童32人)▽飯塚87人(同36人)▽嘉麻4人(同0人)▽田川0人。

 飯塚市の場合、15年から出生数は1130人ほどで横ばいだが、保育園への入所申込数は3年前に比べて1割以上増えた。

 将来的に2保育園・認定こども園の改修や1幼稚園の認定こども園への移行で受け皿は拡充するが、保育士の確保は喫緊の課題だ。市内で就職する保育士への資金貸し付け事業などを実施する。関係者によると、特定の保育園に人気が集中していることも未入所児童が減らない理由の一つという。

 一方、未入所児童が昨年に続きゼロだった田川市。市子育て支援課によると、子どもの数が減っていることに加え、田川市郡では以前から広域利用が活発なことが背景にある。担当者は「市内在住の200~300人は市外の保育所へ、反対に郡部からも受け入れている。第3希望まで聞いて、早めに調整している」と話す。

=2019/05/12付 西日本新聞朝刊=

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