博多駅の変なエスカレーター解消へ 途中から階段…30年以上放置

西日本新聞

地下鉄の地下通路から地上を結ぶJR博多駅筑紫口側の階段で、エスカレーターを下りた後、荷物を抱えて上る利用者たち 拡大

地下鉄の地下通路から地上を結ぶJR博多駅筑紫口側の階段で、エスカレーターを下りた後、荷物を抱えて上る利用者たち

 荷物を抱えた観光客や通勤客をちょっぴり苦しめてきた九州最大の駅の不便な構造が来年度にも解消される。JR博多駅(福岡市)の筑紫口側にある、市営地下鉄の地下通路と地上を結ぶためのエスカレーターだ。階段途中の踊り場までで途切れ、そこから地上1階までは階段を上ることになる。官民の敷地所有を巡る複雑な事情が絡むなど、30年以上放置されたが、本年度にようやく“全通”に向けた増設工事が始まる。

 4月下旬の夕方、2歳の長男を抱え、那覇市の観光客の女性(24)が階段を駆け上がってきた。「結構疲れた。人も多いし、こけたら大変」と息を切らす。

 市の調査によると、この階段は1日1万人以上が利用。地下から地上までの全49段のうち、踊り場までの31段分だけに上りのエスカレーター1基があり、そこから先は階段しかない。

 敷地は踊り場から上はJR西日本、下は市交通局が所有している。1985年の地下鉄開業に伴い、商業施設「博多デイトス」への階段を地下に延伸、その部分のみにエスカレーターを設置した。最寄りエレベーターまでは約40メートル離れており、駅に詳しくない観光客や高齢者はトランクや買い物袋を抱え階段を上る。

 苦情を受け、市交通局は2012年、JR西日本と延伸に向けた協議を始めた。だが、真上に新幹線が走り、真下はテナントが入居。安全面や敷地をまたぐ工事の費用分担などを巡り、折り合いは付かなかった。

 事態が動きだしたのは17年度。市交通局が新規エスカレーターの基本設計費を予算計上し、JR西日本の敷地部分をまたぐ計画を提示した。市によると、階段と踊り場に沿う形で上り下り2基(幅各1・2メートル)のエスカレーターを新設する。本年度は、実施設計と一部工事の費用7600万円を予算に計上。全体費用の一部をJR西日本が負担する方向で落ち着いた。

 福岡市では21年に世界水泳福岡大会があり、22年度に地下鉄七隈線の博多駅までの延伸が完了、利用客増が見込まれている。市交通局施設課は「長年の懸案解消まであと一歩。利便性向上のため一日も早い完成を目指したい」と話している。

=2019/05/14付 西日本新聞朝刊=

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