被災者交流会、思い複雑 仮住まい迫る入居期限 自宅再建見通せぬ人も 日田のNPO、生活支援へ開催

西日本新聞

バザーで日用品などを選ぶ被災者たち 拡大

バザーで日用品などを選ぶ被災者たち

 九州豪雨から1年10カ月が過ぎた。甚大な被害に遭った日田市では12日、みなし仮設住宅などに暮らす被災者の交流会があった。参加者は食事や出し物、ゲームを楽しみ「ありがたい機会だ」と喜んだ。だが7月以降は仮住まいの入居期限を迎える。自宅再建が決まらず、複雑な思いを抱えたままの人もいる。

 交流会は4月に同市で発足した災害支援のNPO法人「リエラ」が被災者同士の交流と、生活再建に向けた支援を目的に開いた。

 交流会の大部分は被災者の心情に配慮して非公開で行われた。リエラによると14人が参加し、日本舞踊やフラダンスの披露があり、ビンゴゲームを楽しんだという。会の終わりには日用品や家具、寝具を格安で販売するバザーもあった。

 会を終えた数人に話を聞いた。同市大鶴地区で被災し市内の公営住宅で1人暮らしをする森山広松さん(71)は「めったにこんな機会がない。ボランティアの人にも久しぶりに会って、うれしかった」と話した。入居期限後は、同市夜明地区に夏には完成する被災者向け市営住宅に入る予定だ。「待つしかないけど、でもやっぱり、出来上がるまでは不安よ」と話した。

 市中心部の自宅が被災し、市営住宅に仮住まいする女性(80)は「市営に入るときに引っ越しがあまりにも大変だったから」と、入居期限後も同じ市営住宅に住むつもりだ。「ただ、今の住まいは交通が不便で、買い物にも行きにくいのが困るのよ」とうつむく。

 「どこに自宅再建をするのか、全くめどは立ってないよ」。同市小野地区の川沿いの自宅が全壊した山本一二さん(65)は、もどかしげに語る。自宅の土地の大部分は河川復旧工事にかかる見込みで、近くの農地に建てようと考えたが、法的な制約があり「待っても何年後に建てられるか分からない」という。期限がくる前に親戚が所有する家に移り、家族と再建先を考える。「交流会で行政書士の話も聞いた。気遣ってもらえる場はありがたい」と話した。

=2019/05/15付 西日本新聞朝刊=