災害時、家庭と仕事どう両立 熊本市が女性職員証言集

西日本新聞

熊本市が刊行した証言集「平成28年熊本地震熊本市女性職員50の証言」 拡大

熊本市が刊行した証言集「平成28年熊本地震熊本市女性職員50の証言」

 熊本市は、女性職員らの手記をまとめた証言集「平成28年熊本地震 熊本市女性職員50の証言」を刊行した。地震対応業務だけでなく、子育てなど家庭との両立の難しさなども振り返った。市は「子どもを預ける場の確保など今後の環境整備の参考にしたい」としている。

 市によると、手記を寄せたのは市役所や市施設の指定管理者の女性職員で、地震当時に新規採用職員だった20代から、管理職の50代まで計52人。証言集では「初動」「災害対策本部」「避難所」「物資・給水」「罹災(りさい)証明」といった担当業務ごとに分類、掲載した。

 手記で目立ったのは、非常時に子育てや介護と仕事を両立させることの難しさ。子ども支援課の女性職員は地震後、病気の母親と叔父を受け入れてくれる病院探しに追われた。避難所の泊まり勤務時は「母たちは大丈夫だろうかと気に掛かり、落ち着かない気持ちで過ごした」と記した。

 西区役所の女性職員は、子どもの預け先がなく上司の許可で子連れ出勤したことを振り返った。ただ、地震後の女性職員へのアンケートでは子どもの預け先がなく出勤できないと伝えると非難された-との回答もあったといい、「子どもを持つ職員の災害対応勤務への配慮が職場によってまちまちだった」と指摘した。

 証言集は昨年9月、市復興アドバイザーを務める減災と男女共同参画研修推進センターの浅野幸子共同代表が作成を提案。市男女共同参画課が中心となり、公募するなどして手記を集めた。市内の公民館などで閲覧できるほか、内閣府など国の機関などにも寄贈した。

=2019/05/16付 西日本新聞朝刊=

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