タイ名門政党選ぶ道は 民主新党首決定 大勢は親軍政、難しい判断

西日本新聞

民主党の新党首に決まり、支援者と喜ぶチュリン氏(右)=15日、バンコク 拡大

民主党の新党首に決まり、支援者と喜ぶチュリン氏(右)=15日、バンコク

 【バンコク川合秀紀】タイ有力政党の民主党は15日、総選挙の苦戦を理由に引責辞任した前党首アピシット氏の後任に、党首代行のチュリン氏を選出した。6月にも発足する新政権の枠組みを巡り、親軍事政権派と反軍政派が多数派工作を展開しているが、チュリン氏は次期政権の枠組みについて明言を避け、近く党の方針を決めるとした。どちらと手を結ぶのか、それとも第三の道を選ぶのか。タイ最古の現存政党で政権与党経験もある名門政党は難しい選択を迫られている。

 同党の獲得議席は過去最低の52議席。長年政権を争ってきた反軍政のタクシン元首相派「タイ貢献党」(136議席)や、親軍政の「国民国家の力党」(115議席)に遠く及ばず、4番目に低迷した。

 2014年5月の軍事クーデター以降、約5年ぶりとなる国会は22日に開会。下院(定数500)と、軍政が任命した上院(同250)の議員による投票で次期首相を決める。親軍政派が推すプラユット暫定首相の続投が濃厚だが、民主党を含め、態度を保留している党の動向が、今後の政権運営を左右する構図となっている。

 複数の民主党関係者によると党の大勢は、プラユット氏の続投支持と親軍政派による連立政権参加に傾いている。ただ党員や議員の本音は一様ではない。

 ある議員秘書は「どのグループにも属さない考えもあるが、政権に入って党の存在感を示さなければ次の選挙でさらに低迷する」と懸念。今回初当選した別の議員は「タクシン派とは絶対に仲間になれないだけで、積極的に親軍政派を支持しているわけではない」。

 過去6回の当選歴があるという元議員の党員は「上院を軍政側が任命する以上、結果は見えている。親軍政政権になるのは悔しいが、民主党にそれを防ぐ力はもうない」と語った。

=2019/05/16付 西日本新聞朝刊=

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