【動画あり】マウスとキーボードに懸ける青春 遠賀高にeスポーツ部 県内県立高で初 「仲間と成長」学校主導

西日本新聞

練習に励む遠賀高のeスポーツ部員 拡大

練習に励む遠賀高のeスポーツ部員

日本一を目指し、ゲームに青春を懸ける遠賀高eスポーツ部の部員たち

 遠賀高(福岡県遠賀町)に4月、コンピューターゲームの腕を磨く「eスポーツ部」が県内の県立高で初めてできた。部活動をする生徒を増やそうと学校側が設立を主導した。仲間と練習を重ね、勝利を目指す他の部活と同様、部員たちは日本一を目標にマウスとキーボードに青春を懸ける。

【動画】遠賀高にeスポーツ部

 「そこのサポートはいいから、こっちへ」。4月下旬の同高パソコン教室。5人一組で拠点を奪い合うゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」(LoL)に励む部員に、3年の山口翔部長(17)が戦闘方法を指示する。視線は真剣そのものだ。

 遠賀高は遠賀農学校として1911年に開校。緑豊かな環境の半面、公共交通機関は少なく、遠方から通う生徒もおり、部活動に所属しているのは現在4人に1人程度。他の県立高では入部率が8割を超えているところもあるという。

 部活が人間形成に役立つと考える石川一仁校長が注目したのが、近年関心を集めるeスポーツだ。競技普及に努めるパソコン製造会社「サードウェーブ」(東京)がゲーム用PC5台を3年間無償貸与することになり、創部が実現。部活のゲーム時間を1回あたり2時間半、週2、3回と限定しており、ゲーム依存を懸念する声などは上がらなかったという。

 部員は現在15人。前身のパソコン同好会のメンバーら9人に新入生6人が加わった。生徒の注目度は高く、見学者も多い。1年の柏木天翔(かける)さん(15)は「部活はしないつもりだったが、ここなら好きなことができる」と笑顔を見せる。

 主に取り組むゲームはLoLで、戦術の組み立てや連携などチームプレーの要素が大きいのが特徴。山口部長は「ゲーム後のミーティングがプレー以上に大事。互いの得手、不得手を知り、補い合うことでより強くなる」と意気込む。

 目標はLoLなど3ゲームの腕を競う高校生対象の全国大会「STAGE:0(ステージゼロ)」。全国7ブロックの代表が8月に激突する“eスポーツ界の甲子園”出場に向け、今月19日の予選に挑む。岩本直也顧問(40)は「仲間と一緒にプレーする中で葛藤や喜びがある。ゲームは生徒が成長する道具になる」と話している。

 ▼eスポーツ コンピューターゲームの腕前を競う競技。総務省によると、2017年の世界の市場規模は約700億円で、約3億3500万人が視聴する。市場規模は年々拡大し、海外では賞金総額が約26億5千万円の大会もある。22年に中国・杭州で開かれるアジア大会に正式競技として採用されたほか、今秋の茨城国体では、都道府県対抗の文化プログラムとして行われる予定。福岡県内では、福岡市立福翔高(同市南区)や私立の福岡第一高(同)でも部活動の中でeスポーツに取り組んでいる。

=2019/05/16付 西日本新聞夕刊=

PR

PR

注目のテーマ