小値賀の魅力、世界に発信 リトアニア出身のビクトリアさん 移住1年、ツーリズム協勤務 「島の一員」意思強く

西日本新聞

小値賀港の岸壁で島の魅力を語るビクトリアさん 拡大

小値賀港の岸壁で島の魅力を語るビクトリアさん

 小値賀町のNPO法人「おぢかアイランドツーリズム協会」で働くビクトリア・シンコビッチさん(28)は、北欧バルト海に臨むリトアニア出身。自然と調和した日本の暮らしに興味を持ち、昨年6月、東京から小値賀に移住した。島の人情に包まれ、小値賀の魅力を国内外に発信している。

 「ビク、取材の人が来たわよ」。小値賀港ターミナルの一角にある協会で、同僚女性に声を掛けられて現れたビクトリアさんは見上げるほどの長身。流ちょうな日本語で小値賀に来た経緯を語った。

 「中学時代に見た日本のアニメが気に入り、調べてみると自然や建築、着物など、何もかも異なる島国に興味が深まりました」

 英国の大学に入り、1年間、京都の同志社大に留学。さまざまなアルバイトで日本語力を磨いた。時間があれば「哲学の道」を歩き、せせらぎに耳を澄まし、いにしえの風景まで想像を巡らせた。

 「リトアニアも自然が美しいけど、この国の人たちは自然と一体に暮らし、自然を敬っていると感じた」

 日本の自然と暮らしへの関心は高まるばかり。大学を卒業して東京の英会話スクールに4年間勤めたが、心は島に呼ばれていた。おぢかアイランドツーリズム協会の職員募集に応じ、作文ににじむ真剣さや能力が評価されて採用となった。母国の首都ビリニュスに住む両親は、日本行きに最初はあきれていたが、今は娘の「本気」に共鳴しているという。

 訪日外国人への対応、売店のレジ、ホームページの英訳、古民家宿泊施設の管理など多岐にわたる仕事を持ち前の積極性と負けん気でこなす。4月町長選で若い人たちが熱く議論するのに触発され、自分も島の一員として小値賀の魅力を世界に発信する意思が強くなった。

 楽しみは休日の畑仕事。近所の農家に教えてもらい、畑でナスやピーマン、ヒマワリなどを育てている。島国の西の果ての離島で見つけた幸せな日常に身を任せ、自然体で生きようと決めている。

=2019/05/17付 西日本新聞朝刊=

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