トランプ氏6月訪韓へ 北朝鮮対応、文外交正念場

西日本新聞

 【ソウル池田郷】米韓両政府は日本時間の16日、トランプ大統領が6月下旬に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせて訪韓し、文在寅(ムンジェイン)大統領と会談すると発表した。文氏が4月の首脳会談で訪韓を要請し、トランプ氏が応じた形だが、北朝鮮の非核化を巡る両氏の方針の違いが露呈。日韓関係も改善の糸口が見えず、G20では安倍晋三首相が文氏との会談を見送る可能性もささやかれる。文氏の外交手腕が問われる局面になりそうだ。

 会談の焦点は、5月4日と9日に短距離弾道ミサイルなどを発射した北朝鮮に対し、米韓が歩調を合わせた対応策を打ち出せるかどうかだ。韓国政府は16日、会談の狙いを「朝鮮半島の非核化を通じた恒久的な平和体制の構築」と説明。加えて「韓米同盟の強化」を強調した。内外に「韓米同盟の弱体化に対する憂慮」(韓国の聯合ニュース)が広がっていることを意識したものとみられる。

 ワシントンで開かれた4月の米韓首脳会談では、対北朝鮮制裁の例外的措置として南北経済協力事業の再開を求める文氏に対し、トランプ氏は「適切な時期ではない」とけん制。米側が制裁解除には完全な非核化が必要との立場を鮮明にすると、北朝鮮の軍事的な挑発が目立ち始めた。

 その後も文氏は北朝鮮批判を極力控え、食糧難が懸念される北朝鮮への人道支援の同意をトランプ氏から取り付けるなど対話継続の道を探った。しかし、北朝鮮メディアは文氏の言動を「根本的な問題の代わりに人道支援を持ち出すのはむなしい甘言だ」と批判。米韓への揺さぶりを続ける北朝鮮の真意を読み切れていないようにも映る。

 韓国では「文氏が仲介してきた米朝交渉が行き詰まる中、米国との関係が良好な日本の果たす役割は大きい」(地元紙記者)との見方があり、G20での日韓首脳会談をきっかけにした事態打開への期待も高い。ただ、日本政府は昨秋以降、韓国政府に元徴用工問題を解決するよう求め続けており、日本外交筋は「何らかの合意の見込みがないまま首脳同士が会うのはどうか」と今のところは慎重だ。

=2019/05/17付 西日本新聞朝刊=

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