宮崎県立農業大学校で口蹄疫慰霊祭 殺処分から9年

西日本新聞

家畜伝染病・口蹄疫発生から9年を迎え、殺処分された実習用の牛やヤギのモニュメント前に献花する学生たち=13日、宮崎県高鍋町の県立農業大学校 拡大

家畜伝染病・口蹄疫発生から9年を迎え、殺処分された実習用の牛やヤギのモニュメント前に献花する学生たち=13日、宮崎県高鍋町の県立農業大学校

 悲しい記憶忘れない-。宮崎県で2010年4月に発生が確認された家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)。県内で牛や豚など29万7千頭余りが殺処分されてから今年で9年を迎えた。5月に感染疑いが確認され、実習用の牛218頭、ヤギ2頭計220頭を処分した県立農業大学校(高鍋町)では13日、口蹄疫を二度と発生させないようにと慰霊祭が開かれ、防疫対策の徹底を誓った。

 全学生と職員ら計約150人が参加した。山本泰嗣校長は、当時県職員として川南町役場に設けられた現地本部に派遣された経験を紹介。午前2時すぎに帰宅して仮眠し朝5時半に家を出る日々が続いたという。

 「口蹄疫を他の地区に出さないという思いだったが、拡大して身も心も尽き果ててしまった。9年前に必死で闘った先輩たちにあらためて敬意を払い、授かった命をつなぐことなく埋却された220頭の家畜の冥福を祈りたい」と話した。

 防疫対策などに関する講義が行われた後、実家が和牛の生産農家という初森勇磨さん=畜産学科2年=が「口蹄疫で被害を受けた全国唯一の農業大学校として、学生一人一人がつらく悲しい経験と全国からいただいた支援を忘れることなく記憶にとどめ、二度と発生させないため農場防疫を徹底し、防疫日本一を目指す」と誓いの言葉を述べた。

 学生たちは、埋却地を望む場所に立つモニュメント前に集まり、奥野隼平さん=同=と奥野こなつさん=同=が献花し、全員で黙とうをささげた。

 全頭処分された同校では現在、同校の飼育数は牛139頭、ヤギ2頭の計141頭まで回復している。

=2019/05/17 西日本新聞=

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