上流の水全て石灰石で中和 硫黄山噴火 水質改善へ県と宮崎大実証実験

西日本新聞

 宮崎県えびの市の霧島連山・硫黄山(1317メートル)が昨年4月に250年ぶりに噴火し、硫黄山周辺の赤子川、下流域の長江川、川内川が白濁するなど水質が悪化した問題で、県は赤子川上流の水全量を、石灰石を敷き詰めた浄化用仮設水路に引き込み、水質改善の実証試験を始めた。9月末まで実施し、下流域の酸性度やヒ素濃度など水質の改善状況を検証する。

 14日に始めたのは、赤子川上流の沢の水を迂回(うかい)させ、約100トンの石灰石を敷いた幅4メートル、長さ約18メートル、深さ約1メートルの水路を通して中和させる実験。水素イオン指数(pH、数値が低いほど酸性)や、ヒ素やホウ素など重金属の濃度を下げる効果が期待でき、水は中和後、沈殿池を経由して沢に戻される。

 県と宮崎大は、昨年9月から一部の水を利用した実験を行っており、酸性度やヒ素濃度の改善効果を確認したことから、今回の全量実験に踏み切った。実験初日の計測では、仮設水路入り口でpH値1・8の強い酸性の水が中和後の出口では同4・2の弱酸性となった。環境基準は6・5~8・5だが、県は水量が増える下流でさらに数値が改善されるとみている。

 硫黄山があるえびの高原は、日本有数の多雨地帯で水量は季節によって変化する。実験に協力している宮崎大国際連携センター伊藤健一准教授(地盤環境工学)は「営農期や台風の時期なども中和の効果が持続することを期待している」と話した。

 宮崎、鹿児島両県では、長江川や川内川などで環境基準を大きく上回る数値が検出され、昨季は約1100戸の農家が米作りを断念。水質の改善は進んではいるが、一部では今も農業用水が利用できず、今季も両県で約500戸が米を作らない見通しとなっている。

=2019/05/17 西日本新聞=

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