修学旅行から漁師の道 平戸で弟子入り、結婚、父に 大阪出身・戸崎さん

西日本新聞

親子のように仲の良い戸崎駿さん(左)と吉住隆さん=10日、長崎県平戸市の向月漁港 拡大

親子のように仲の良い戸崎駿さん(左)と吉住隆さん=10日、長崎県平戸市の向月漁港

長女の千遥ちゃんにウエディングケーキを食べさせる戸崎さん夫婦=4日、長崎県平戸市

 高校の修学旅行で体験した漁業に魅了され、縁もゆかりもなかった長崎県平戸市で漁師になった青年がいる。戸崎駿さん(24)は大阪の高校を卒業後、父のように慕う漁師に一から漁を教わった。4日には地元の女性と結婚式を挙げ、「みんなの支えがあって今の自分がある。さらに精進して平戸の漁業を盛り上げたい」と気持ちを新たにした。

 戸崎さんが暮らす平戸島南部の志々伎(しじき)地区は漁が盛んで、定置網でアジやヤリイカ、素潜りでウニ、サザエ、アワビを取る。

 2011年秋、「まつうら党交流公社」(同県松浦市)が運営する体験型修学旅行で平戸を訪れた。志々伎の漁師に船釣りや定置網漁を教わり、青い海、新鮮な魚の世界へ一気に引き寄せられた。

 高校は進学校で、進路に悩んでいた。漁師になりたい-。胸の中で膨らむ思いを、公社の統括マネジャーだった筒井雅浩さん(65)に打ち明けた。

 アルバイトをして旅費をため、翌12年の夏休みに再び平戸へ。筒井さんから相談を受け、待っていたのがベテラン漁師の吉住隆さん(65)。10日ほど沖で荒波にもまれ、七転八倒しながら漁師の仕事に触れ、決意を固めた。

 高校を13年に卒業し、吉住さんに弟子入り。若手漁師の指導も受け、海の男がすっかり板についた。平戸弁を覚え、運動会では俊足で喝采を浴び、地域に溶け込んだ。そして、元志々伎漁協職員のみなみさん(21)と出会い、長女千遥(ちはる)ちゃん(9カ月)を授かった。

 結婚式には約140人が出席した。中学の同級生福間隆史さん(24)は「漁師になると聞いて、勉強しすぎて気が変になったのかと思った」と振り返った。父清さん(56)は「駿がかわいがられていることが分かった」。吉住さんは「都会育ちでマイナスからのスタートだが、よくぞここまで成長した。駿君は私の息子。後継者として育てたい」と宣言した。

=2019/05/18付 西日本新聞朝刊=

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